Switch版「ツクールシリーズ アルティエクエスト」

 本日のゲームレビューは「ツクールシリーズ アルティエクエスト」。そのあまりにもイカれたコンセプトから一目見て購入を決定した一本です。

 

 えー…まさかの古典的なPRGがゆっくり実況付き(というかbiimシステムそのもの)でプレイできるという、ニコニコ動画歓喜の一作となります。コンセプトがディープ過ぎるw

  • しかもエンジンがなぜか「アクションゲームツクール」。そこは素直にRPGツクールじゃダメだったんかい。むしろこんなコテコテのRPG作れるんだな…

 

 ゲーム内容は古典的なドットRPG。ありふれた題材ですが、そこにゆっくり実況を取り入れたことで絵面がとても面白いことになっています。

 

 114514Gとかネタがちゃんと作り込まれているのが序盤から伝わってくる。

  • ちゃんと元ネタどおり淫夢とクッキーのネタがきっちり織り込まれています。ファンならついニヤッとしてしまいますねw それをよくSwitchで出せたもんだと感心しますが。

 

 ストーリー的にも魔王を倒すために旅立つ勇者ではなく、その追っかけ3人組というちょっと脇に外れたキャラなのは如何にもインディーゲーらしいチョイス。

  • あとこの世界の人間は誰もツッコミ入れませんが、3人ともかなりイカれた格好をしています。アルティエの胸部アーマーとかこれヌーブラかなんかなのか…。

 

 実況部分はかなり細かくbiim兄貴のネタを拾っていて、元ネタファンならばにやりと笑えること請け合い。

 

 戦闘画面で下側にキャラが並ぶさまは、biim兄貴の初期RTA作「貝獣物語」っぽい。幸い、ゲームバランスそのものは貝獣ほど厳しくはないけどもw

  • 何気に右枠を使ってモンスターの情報が出て来るのはかなり助かる。他のRPGでもこれ採用してくれんかなってぐらい便利。

 ゲーム内実況がネタにしているほどエンカウントは多いですが、逃げ損ねた瞬間、1ボタン(ZL)でリセット→復帰が爆速で可能であるため、じゅうべえウォーク(ちょっと歩いてセーブ)で対応できるぞw まぁうっかりボタンに触ってリセットされてしまったという状況もちょいちょい発生して困りましたが。

 

 レベルアップ時にクソデカいレベルアップの文字が流れるのに吹いた。

  • SFCクソゲーとして名高い「真・聖刻」で出て来た演出ですね。せっかくなら最後の文字を小文字の「p」にして元ネタに合わせてほしかったw

 

 戦闘バランスは古のRPGといった感じで、エンカウントの多さも合わさって結構厳し目。

  • エルがウヅ(全体攻撃)を覚えたあたりから大分戦いやすくなります。オコロリ(眠り)も強力なので中盤はエルのMPが後何発分残っているかどうかを目安に先に進むのが良さげですね。
  • 本作の魔法でも特に面白いのが「バイソック」。なんとゲーム全体が2倍速になるという他のゲームでは中々類を見ないもの。ダッシュや戦闘速度、曲のテンポまで何もかもが2倍になります。あるとないとでは段違いなのですがMP消費がバカ高いのでダンジョン内とかの回復できないポイントだと結構悩ましい。

 

 海を渡るシーンでは、元ネタに準拠して謎の動画(製作者が昔作ったアニメ)を長尺で見せられます。マジで「とっておきのどうが」が用意してあるとは…。そこまで再現しなくていいから。

 

 レトロなRPGにありがちだったカジノイベントも完備。こういうイベント最近のゲームだと(規制の関係で)なくなっちゃったんで地味にうれしい。

  • コインを増やすだけならカードをめくる「マインカード」の方が効率が良いのですが、このスロットはなんとなく打っているだけで純増していくので、脳死でプレイするならこっちのが楽かな。
  • カジノでは強力な装備の他、ステータスアップ系アイテムが入手可能なので、うまくやればカンストまで強化も可能。ラスボスで苦戦するようならここで延々強化するのもありかな。

 

 なんかbiim兄貴の動画で死ぬほど見たあの場所が出て来たぞw

 

 当然本作でも「ギガトンコイン」を持って進むことで橋から落ちます。うん、この元ネタでこのイベントが無いわけないもんねw

  • ちなみに端から落ちると塔を下に降りる手間が省けるので実はプラスイベントでもある。
  • またギガトンコインはアッタミトの町の酒場でカジノ10000コインと交換できるのですが、カジノに立ち寄らすに交換すると、コインの重みで結局落ちるという小ネタもあり。隙を見せぬ二段構えw

 

 ラスボスはガチで強く、平均LV25ぐらいだと普通に戦えば結構苦戦します。特にバフ系と回復がピノに固まっているためとにかく忙しく、アルティエの全体回復(MP消費高い)を如何に的確に放てるかが勝敗を分けるでしょう。

  • 特に第二形態がかなり強めで、攻略法が分からないと割と一方的にやられるレベル。長丁場ゆえにバフが切れやすく、MPも不足しがち。ドーピングでMPだけは補っておいた方がさすがに楽かもしれん。

 

 という感じでゲームクリア。タイムは7時間2分20秒。ラストの一枚絵がなかなか際どいな。

 とにかくbiimシステムの動画フォーマットを完璧に活かしきった、ミニマムなRPGとしてかなり良く出来た一本ですね。ゲームバランスは意図的に厳しめではあるものの、対策自体は可能であり、古ゲームらしさを楽しむ作品としてかなり良く出来た内容だと思います。

  • 実況が一発ネタではなく、右枠含めてちゃんと攻略に有用な情報を確認出来たりと結構便利で、この形式でのゲームプレイにはかなりの可能性を感じますね。

 そんな本作の最大の難点が「バグの遭遇率が高いこと」。大して害が無い奴から深刻な奴まで多数あるのですが、おそらくクリアまでに一度も遭遇しないことはないだろうってぐらいあらゆるところでバグる。そんな緩さまでレトロゲーム風にしなくても良いよ(真顔)。

  • 結構深刻気味なバグとして「いつの間にか装備が外れている」というものがある(武器防具の効果が無くなる)。マジでいつの間にか発生するため(予兆が分からない)、いざバトル突入してダメージがめちゃ低いとかで初めて気が付きます。対処方法としては装備しなおすことで直るっちゃ直るので、セーブさえ怠らなければまぁ何とかなりますが…。
  • あとフリーズ系。私の環境ではゲームクリアまでにエラー落ちが2回、移動魔法で画面反転してから戻らなくなったのが2回起こった。本作はどこでもセーブできるシステム上、マメにセーブしていればそこまで問題にならないんですが、どうにも不安定気味なのは気になりました。

 見た目に面白かったのが、塔の「落とし穴」に落ちた瞬間に敵とエンカウントすると発生した「移動中の背景と戦闘画面が混ざるバグ」。フィールドを歩いているのに戦闘画面にも登場するという絵面がヒドイw まぁこれは見た目だけなので笑える部類ですけど。

 

 とまぁちょっとバグは気になりますが、RPGとしては意外とちゃんとしているので古のRPG好き&biim動画が好きな数寄者であれば是非にオススメ。