ゲームマーケット2019秋に出品されたゲームで遊んでみた(1)

ゲームマーケット秋から一週間。ぼちぼちゲームマーケット2019秋の新作についてもいくつか触れることができましたので、ちょいとレビュー。ボードゲームレビュー久々すぎだぁw

 

 ・基本的に同人(インディーズ系)ゲームのみのレビューとなります。またあくまでゲームマーケット2019秋に出品されていたゲームですので、初出が2019秋ではないものも含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。

 

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●星空を望む少女達の夜明け(AMaRo Project)

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  • 独特なカードハンドリングが特徴のデッキ構築系ゲーム。カードの購入、使用が一ひねりしてあり、いわゆる「山札」がないというアイディアが光る。
  • このゲームではカードを買ったや使用した場合、捨て札ではなく「キャストゾーン」という待機列に置き、ターン経過によりそれらが手札に戻る、というシステムになっている。購入時と使用時でキャストタイムに違いがあったり、そのタイミングを変更するカード、キャストゾーンにある間のみ効果があるカードなどもあり、なかなかこのシステムは良くできている。
  • ただ、そのシステムのユニークさゆえにかゲーム内容が洗練されていないところがあるのがプレイしていて非常に気になる。

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↑これは別のカード。同じ(微妙に違う)イラストで

  • たとえば、同一種類のカードでも効果が微妙に違う(↑のように微妙なイラストの差異のため、ぱっと見でまずどれがどれだかわからない)うえにアイコンなどではなく細かいテキストで効果が記載されているため、とにかくカードが見づらい。間違いなくプレイを大きく阻害する要因で、プレイ時間よりもカードのテキストとにらめっこしている時間の方がかかるといった具合。他プレイヤーが持っているカードがすべて公開されているシステムなのに、何を持っているのかさっぱりわからんのはさすがに問題あるだろう。
  • また、各プレイヤーは固有能力を持ったウィッチカードを1枚ずつ持っているのですが、全6種類のうち1枚だけが異常な強さ。具体的には妨害能力が非常に強くて「使いどころを間違えなければ99%こいつが勝つだろう」と思うほどにイカれているレべル。この手のゲームで妨害系能力が強すぎるというのはかなり萎えるし、分かっていれば全プレイヤーがそのプレイヤーを抑え込みに行くというひどい状況が発生する。完全に別ゲーになってしまうのは非常にマズイ。
  • アイディアは本当に面白いんですが、コンポーネントのデザインに起因するプレイしにくさとバランスの悪さはいただけない。惜しい出来。

 

■KOBE(luck movies)

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  • イラストがおしゃれなセットコレクションカードゲーム。
  • 手番ごとにカードを「荷物置場」に置く(1~5枚)→「倉庫」に出す(1枚)→他プレイヤーの「荷物置場」のカードを購入して「倉庫」に置くという流れでプレイしていく。倉庫にある同一種類のカードが4枚を超えたら換金。このとき、倉庫内にあるカード種類が少ないほど、換金効率が上がるというシステム になっている。

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↑シンプルなルール

  • ルールは実質これだけなのだが、非常に考えられたバランスとなっており、どのカードを場に出すか、誰から買い取るか、単純な手順なのに深いジレンマがそこかしこにあり、まさにシンプルイズベスト。これデザインといいシステムといい、完成度が無茶苦茶高いですね。何となく前情報全くなしで購入したゲームでしたが非常に満足。

 

■行商の時代(A.I.Lab游)

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  • もはやゲームマーケットの有力サークルとなった「A.I.Lab游」の「時代」シリーズ(勝手に認定)新作。行商人となり、マップ上の町々を回りながら、商品を出荷していく、アクションポイント制経済ゲーム。
  • 取れるアクションは「移動」「荷物を積む」「出荷する」の3種類というシンプルさで、そこだけならよくある感じですが、面白いのが荷物の補充方法。
    4種類ある荷物はそれぞれ生産できる都市が決まっており、初めはそこに移動して獲得する必要がある。ところが、荷物を出荷した場合、一部がその都市へとプールされていき、「出荷したプレイヤー以外」が入手可能となる。こうなると生産都市を経由するだけではなく、他プレイヤーの出荷に便乗して品物を集めるというプレイが立ち上がってくるw 
  • アクションそのものはシンプルゆえに、誰がどこを狙っているかを読み合うことが重要で、それが抜群に楽しい。このあたりのバランス感はさすがはといったところ。
  • 出荷カードを取っていくことで段々と馬車が大きく育っていくところもビジュアル的に面白い。これ馬のパワーすげぇなw

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↑どんどん伸びるよ。

  •  あえて言えば「オールマイティ(どの荷物でも良い)」のシンボルが書かれた出荷カードが簡単な割に得点もそんなに低くないため、序盤にこれが取りやすい位置に出てしまうと先手が(若干だが)有利になりやすいかなという気がしました。まぁ、今回のプレイではやたら序盤に固まってしまったことが原因かもしれませんが。