最近プレイしたゲーム(32):WASABI

 またまた前回から間があいてしまったボードゲームレビュー。レビューしたいゲームは山ほどあるんだが時間がねぇ…。
 というわけで今回のゲームはタイトルの時点でかなり出オチ気味な「WASABI!」(わさび)


↑プレイ時の光景。「巻き簾」状のボードの上にタイルを配置していく。

 プレイヤーは10年間修業を積んだすし職人となり、その最終試験となる調理コンテストに合格して「板前」の資格を得る、という設定のボードゲーム
 そのゲームの設定からわかると思いますが、微妙に日本の文化が勘違いされている(アメリカナイズされている)のが特徴的。

  • プレイヤーは様々な「食材」が書かれた食材タイルを3枚とレシピカードを3枚受け取ってゲーム開始。
    • 一般的なすしの材料が多いが、予想通り「アボカド」とかいかにも海外的な材料も混ざっています。
    • あと、すしを作るための基本材料が「RICE(ごはん)」と「MAKI(巻き)」の二種類であるのがちょっと面白い。海外では巻きずしは一般的なのでしょうか?
  • 手札タイルとレシピーカードを隠すために、わざわざ専用のついたてとなるお品書きが付いてくるのが面白い。


↑レシピカードを挟む「お品書き」(ついたて兼用)。こういう、コンポーネントの面白さが光る。

  • 自分の手番となったら、食材カード1枚を「巻き簾」ボードの格子に合わせて配置していく。その後、自分の持っているレシピカードと、ボード上の食材の組み合わせが合致している列があれば、レシピ完成としてカードを公開し、得点がもらえる。
    • 組み合わせの複雑さによって、2種類(2点)から5種類(8点)まであり、それぞれにメニュー名が付いている。たとえば「RICE(ごはん)」と「SCALLOP(ホタテガイ)」の組み合わせだと「HOTATE(ホタテ)」とかそんな感じ。
    • メニューの中にはかなりよく分からない名前のものもあったりと、読むだけでニヤニヤできる。個人的には「RICE(ごはん)」と「TOFU(豆腐)」の組み合わせでできる「INARI(いなり)」が結構ヒットした。食材が「TOFU」となっているのに、どう見てもこれ油揚げだw(ひょっとして海外では大豆製品をなんでもとうふと呼んでいるのだろうか?)


↑このゲーム屈指の謎食材「TOFU(豆腐)」。どうみても油揚げだよコレ。

  • なお、レシピ完成時に組み合わせだけでなく、食材の順番もレシピカード通りに並んでいた場合はボーナス点として「ワサビ」コマ(1個1点)がもらえる。最終的な得点となるうえ、同点のプレイヤーがいた場合はコレの数で勝負か決まる、何気に重要な要素。
    • このコマの色がまた絶妙のワサビ色で、かなりよくできている。しかもわざわざこれを入れるためだけに小皿(たぶん醤油皿)が付いてくるという凝りようは素晴らしい。


↑ワサビコマ。レシピを完璧に(優雅に)作り上げたプレイヤーはこれがもらえる。色が絶妙。

  • 食材タイルを配置したのち、場にある食材タイルから任意のタイルを3枚になるまで補充し、その後レシピカードも同じく3枚になるまで補充する。
    • 地味に厭らしいのが食材タイルを確保してからレシピカードを補充するという順番。このため、獲得したレシピと確保した食材が噛み合わないこともままあるw 数が少ない高級食材を確保するときは気を付けるべし。
  • 手番中、レシピを完成させていた場合、スペシャルカードを獲得できる。これは手番中に使用することで様々な効果が得られるもので、最大2枚まで持つことが出来る。ほかの食材タイルの上に別のタイルを置ける「STACK」や、タイルを入れ替える「SWITCH」、配置されたタイルを取り除ける「CHOP」あたりは特に便利で、ぜひ獲得しておきたい。
    • しかし、このスペシャルカードもなんかおかしい。「STACK(乗せろ)」がしゃもじ、「SWITCH(交換)」の箸はいいとしても、「CHOP(切る)」のカードはなぜか中華包丁が描かれていて、「SPICY(辛い)」に至ってはなぜか唐辛子。すしに唐辛子の出番はねぇよw
    • 食材タイルの置き場所が足りなくなる後半は、スペシャルカードをうまく使ってタイルを捌いていかないとレシピを完成させることもままならなくなる。そのため、得点は低くとも完成させやすい2種類レシピをあえて取り、積極的にスペシャルカード獲得に動く必要もある。


↑プレイ終局図。ボード上に所狭しと食材が置かれたところ。

  • 勝利条件は、ボード上に食材が置けなくなったとき、もっとも得点を稼いでいたプレイヤーか、あるいは既定の10種類のレシピを完成させたプレイヤーの勝利となる。意外にプレイ時間がかからず、はじめてのプレイでもインスト込で1時間かからないぐらいと結構軽め。
  • ちょっと気になったのが、食材タイルやスペシャルカードは裏表で「英語」と「ドイツ語」が書かれているのに、なぜかレシピカードには「英語」しか書かれていない点。おかげでゲーム初めてしばらくは食材タイルとレシピの表記があっていないことに苦労した。どっちかに統一してほしかった。

 一見して日本人的にはイロモノに見えるゲームだが、そのゲーム性はかなり真面目なパズルゲーム。他人の置いた食材タイルで自分のレシピが完成したり、逆に完成しなくなったり、食材が切れてしまって頭を抱えたりと、かなり干渉性が強い。そうでなくとも食材には限りがあるし、スペシャルカードをどのタイミングで使うかなど、結構頭を使う。
 見た目のバカっぽさによらないパズルゲームとしてかなり遊べる作品。ルールも簡単なので、家族とかでも遊べそうな一品です。