最近プレイしたゲーム(28):ホテルサモア

 今日のボードゲームは、日本語版も(なぜか)アークライトから発売された「ホテルサモア」。

ホテルサモア 日本語版

ホテルサモア 日本語版

↑日本語版があるだけあってAmazonにもあった。応援の意味を込めて貼っとく。

 プレイヤーは太平洋のリゾート地、サモア島にあるリゾートホテルのオーナーとなり、島にやってくる観光客を宿泊させ、お金を稼いでゆくのが目的となる。 
 
↑各プレイヤーが担当するホテル(のボード)。6部屋ある。

 観光客は日本、イギリス、ドイツ、ノルウェー(なぜ?)の4か国の人々。プレイ前に国タイル(各国3枚ずつ12枚)を並べ、それぞれどのターンでやってくるかを決めます。

↑国タイルが並んだところ。同じ国が隣り合わないように気を付けてシャッフルすべし。

 ターンごとに「飛行機カード」をめくり、観光客が何人やってくるかを決めたのち、その観光客をお互いのホテルに宿泊させるべく、宿泊費のダンピング合戦を始める。

  • 宿泊費は、各プレイヤーに渡された「価格カード」で提示する。ターンの「価格開始フェイズ」で価格カードをお互いに1枚伏せて出し一斉にオープンし、もっとも安い金額を提示したプレイヤーから順に観光客チップを好きな数だけ取得できる。
    • 観光客にはいくつか特殊な客も存在し、宿泊費を2倍払ってくれる「富裕層」、本来なら一部屋に一人しか泊まれないが、ほかの観光客と一緒に泊まることができる「恋人」、隣接する部屋に宿泊する観光客の宿泊費を2倍にしてくれる「セレブ」や、プール施設を建てていると追加で料金を支払ってくれる「水泳客」などがいる。当たり前だが宿泊できる部屋には限りがあるため、どの客をどこに泊めるかを考えて、観光客チップを選択していかないといけない。
  • また、この価格カードには「改築費用」も書かれており、こちらはターンごとに開示される改築タイルを購入する金額となる。こちらはもっとも高い金額を提示したプレイヤーから獲得権利が与えられるのだが、たいてい改築費用が高いカードは宿泊費も高いため、改築タイルを取ろうとするとたいてい観光客を取ることはできない。この手番ではどれを手に入れたいかを考えてカードを出す必要がある。
    • 改築タイルには、宿泊費が2倍になる「スィートルーム」や、水泳客に影響する「プール」、部屋が増える「追加部屋」のほか、特定のフェイズに使用できる「特殊タイル」などがある。
    • 特殊タイルはどれもこれも強力な能力だが使い捨てなので、あまり高い価格を提示してしまうと元が取れないという事態になりがち。基本的には「安い金額で取れたらラッキー」ぐらいの感覚でいいかも。
  • また価格カードの中には「従業員休み」という特殊カードもある。これは観光客の収容も改装も行わない代わりに、宿泊客を2人まで追い出すことができるカード(スゲェなw)。宿泊客は特定の条件を満たすまで帰らない(後述)ため、このカードをタイミングよく使って観光客を回転させていく必要がある。


↑観光客や改築タイルを並べたところ。改築タイルはなるべく早めにとっていきたい。

  • 改築と観光客の収容が終わったのち、使用した価格カードはわきに寄せておく。基本的に一度使った価格カードはゲーム中二度と使えないので、肝心のタイミングで必要なカードが足りない、という事態にならないように気を付けるべし。
    • 例外として「観光客も改築タイルも手に入れられなかった」場合は、提示した価格カードを手札に戻すことができる。「従業員休み」の価格カードはこのルールのため毎回手札に戻る。
    • このゲーム、12ターンあるにもかかわらず価格カードは11枚しかない。つまりどこかで必ず一回は価格カードが手札に戻ってくるタイミングがある。個人的にはある程度観光客が泊まっているならば無理をして価格を提示せずに「従業員休み」を行って次に備えたほうがやりやすいと思う。

 観光客は部屋に入る際には宿泊費を払ってくれるのだが、困ったのがそのまま居座っている間は何もお金にならないということ。観光客は次に同じ国の観光客がやってくると帰るため、このタイミングをきちんと考えないとうまく部屋を回すことができなくなる。
 どのタイミングで部屋の改装し、客を入れるかを常に考えたプレイングが要求される。

  • 前述の「従業員休み」のほかにも特殊タイルの「観光客を戻す」タイルで観光客を強制的に返すこともできる。
    • 面白い例としては「恋人」の観光客は、同じ部屋に泊まった客が帰ると一緒にいなくなる、という特性があるので、帰るまで時間がかかる国の客と、早めに帰る国の客を組み合わせることで、本来の滞在期間より短い期間で帰らせるということもできる。

 ルールはシンプルでわかりやすく、プレイ時間も短め(5人プレイで1時間ぐらい)。プレイヤー間の駆け引きも楽しめる良好なプレイ感に、テーマとシステムがうまく噛み合った良作。
 最近は方々のボードゲーム会に参加する際の定番ゲームとしていつも持って行っています。値段も安いしオススメの一品。

  • あえて難点を挙げるならば、お金チップが各種あるのだがそのどれもが数少なめで常に両替しながらのプレイが迫られることw 足りなくなることはないが、結構面倒くさい。自前でチップを用意すると遊びやすくなるかも。