ゲームマーケット2016春に出品されたゲームで遊んでみた(その2)

 ゲームマーケット2016春に出品されていた新作同人ゲームについて、GW最後の週末にまとめて遊ぶ機会があったので感想まとめ。その2になります。

  • 基本的に同人ゲームのみのレビューとなります。またあくまでゲームマーケット2016春に出品されていたゲームですので、初出が2016春ではないものも含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。

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●どっちの始末Show(蒼猫の巣 出張所)
 

  • ニコニコ動画ボドゲ動画を作っている「青猫P」関連サークルが生み出したイカれたカードゲーム。これジャンルは一応トリックテイクということでいいのか。
  • プレイヤーは1〜12(間がいくつか無い)までの数々の始末書が描かれたカードをランダムに受け取りゲーム開始。基本的には前のプレイヤーが出したカードより大きなカードを出して行く。出せない場合は手札の中の一番小さいカードを出す。それを繰り返していき、最後のトリックを取ったプレイヤーは自分が出したカード+その場で最も低い数字のカードを受け取ります。このあたりは「5本のきゅうり」をイメージすると分かりやすいですね。
    • なおゲーム的には全く意味はないのですが、各カードに書かれた始末書の内容がいちいちひどいw 中にはこれ始末書じゃすまないだろって不始末も交じっていて心がなんだか抉られますw
  • 同じ数字のカードが1組そろったら数字分マイナス点となり、一定のマイナス点を超えたプレイヤーが出た時点でゲーム終了。その時点で最もマイナス点が少ないプレイヤーが勝者となります。
  • ポイントはカードは毎ラウンド2枚ずつ誰かが獲得していく事。そのため、カード総数が徐々に減っていくためゲームが後半に近づくに従いどんどんゲームスピードが上がっていきます。そのためテンポはかなり良く、ゲーム展開次第ではいきなりゲームオーバーもあるためプレイ中は結構な緊張感があります。
    • 標準ルールの場合、プレイヤー人数が多いとゲーム終了まで微妙に時間がかかる場合があります。このあたりはゲームルール上はやや致し方ない感じですかね。


さいころ民主主義デメクラシー(もんじろう)
 

  • 毎回変なゲームばっかり(褒め言葉)発表しているもんじろうの人(サイ企画)のダイスゲーム。箱の中に入っているダイスを3秒だけ開けてみて、その中で一番多く出た目と少なかった目を「投票」する。もっとも多く投票された目を出したプレイヤーは、その投票数分だけチップを捨てることができます。最終的にチップを一番早く亡くしたプレイヤーが勝者となります。
  • 面白いのが、実際の目ではなく投票された目が重要なこと。よりによってこのゲーム、ダイス種類が3色かつ大小あり、しかも微妙に箱が深いので端が良く見えなくなっています。そのため、3秒でダイス内容を把握することは辛く、一見してバカゲーっぽい内容なのに何気に難易度高いw
  • ゲーム的にはすごく面白いのですが、難点としてチップの数が変則的なため(ワザとだと思いますが)、プレイヤー人数によってはきっちりチップを捨てられずになかなかゲームが終わらないことがあること。ゲーム的には親が何巡かしたら終わり、という感じで進めた方がよさそうです。


●競りゲーブブカPro(もんじろう)

  • これまたサイ企画のへんな競りゲー。というかこのタイトルの意味分かる人間もう中年以上だろw 一応、前回出ていた「競りゲーブブカ」の難易度上昇版との事。
  • 競り自体はごく普通の競りだが、競る対象は「竹串」。この竹串は5mm間隔で長さに違いがあり、最終的にはこの竹串が5mm間隔の違いで連続している数だけ得点となる。こう言うと簡単そうだが、何の目印もない竹串の長さを見切り、本当に必要な長さだけを購入しなければならないという、まず間違いなくボードゲームに必要のない能力が求められますw なんだこのゲーム。


●City District(Hammer Works)

  • 手作りパッケージに本格的なゲームを詰め込む個人的注目サークル「Hammer Works」の新作。「ストリームス」なんかを彷彿とさせる、専用シートに書き込むタイプの都市開発ゲーム。
  • ダイスを二つ振り、各プレイヤーはその目に従って基本施設か特殊施設を5×5マスのシートに記述していく。25マスをすべて埋めたらゲーム終了、得点計算を行って最も高いプレイヤーが勝者となる。こう書くと簡潔なルールだが、建物は配置する箇所や隣接する他の建物によってボーナス点が異なり、どこにどの建物を記載するか非常に自由度が高く悩ましい。
    • 建物は基本施設と特殊施設があるが、特殊施設は基本1プレイ中1度しか建設できない。効果はデカいが場所や隣接建物にも大きく影響されるものが多いため、あらかじめ作って条件を満たすのを待つか、ギリギリまで建築を待つか。基本ソロプレイなのに、多人数プレイでもダイスに翻弄される展開にいろいろ盛り上がります。
    • 一応プレイ人数は5人までとなっていますが、リファレンスシートの枚数が5枚だからというのが大きな理由でその気になれば何人でも一度に遊べます。このあたりの融通が利くところも「ストリームス」の系譜っぽい。
  • ルールのシンプルさ、遊びやすさ、プレイ時間の短さどれをとっても傑作。個人的には今回のゲームマーケット新作ではかなり好きな部類のゲームです。難点は、「Hammer Works」特有の手作り箱のためすごく壊れやすいことぐらいでしょうかw

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 とりあえず今回はここまで。この中では「City District」が一番面白かった。これリパッケージして製品化できる内容ではないでしょうか。