ゲームマーケット2015春に出品されたゲームで遊んでみた(その1)

 ゲームマーケットから約2週間ほどたちましたが、皆様新作楽しんでいますでしょうか。
 私もぼちぼち新作その他含めて遊べましたので、今回はゲームマーケット2015春で購入した新作同人ゲームの感想についてまとめ。

  • 基本的にインディーズ(同人系)ゲームのみのレビューとなります。またあくまでゲームマーケット2015春に出品されていたゲームですので、初出が2015春ではないものも含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。

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●キッキの魔法宅配便(ラブリー会)

  • 毎度おなじみ、ラブリー会の新作ボードゲームはパロディ満載…というかもはやパロディのみで出来ているといっても過言ではない一作。これギリギリすぎて大丈夫なのか不安になりますw


↑ボード全体。

  • 基本的には周回マップを回りながらその地点にある荷物を回収したり、荷物を届けたりするという内容。マップを進むためには手札からカードを使用していき、使ったカードは隣に渡すといういつものラブリー会スタイル。

 
↑カードやマップはパロディ満載。

  • 登場するキャラクターやマップ上の各コマはとにかくパロディ満載で見ているだけで笑えます。面白いのが荷物ごとに重さがあり、過積載状態でも移動はできるのですが「警察の手入れ」を食らうと荷物を没収されてしまいます。荷物を届けた報酬も荷物として扱うため、どのぐらい荷物を載せていくかがこのゲームのキモ。


↑時間トラック。時間経過で報酬が没収されていく。

  • またゲーム中アクションを行うごとに時間が経過していき、時間経過で報酬が次々没収されてしまうため急がなければならないところも面白い。このルールのためゲームの収束性は意外に高く、大体30〜40分程度で終わる感じ。少しあっさり気味ですが、ゲームが濃すぎるのでちょうどいいのかもしれませんw
  • ただ一部ルールが分かりにくいのが気になるところです。特に荷物を積んだ時、どのぐらいの重さで過積載となるかが直感的に分かりにくい書き方になっています。ここは注意が必要でしょう。


ブレーメン(大気圏内ゲームズ)

  • 「もてねば」等なんか一昔前のドイツゲームっぽいゲームをリリースすることで(個人的に)お気に入りのサークル「大気圏内ゲームズ」の新作は往年の名作「ドラダ」や「こぶたレース」を彷彿とさせる、ブレーメンの音楽隊をテーマとしたレースゲーム。

 
↑カードを使い、猫、犬、ロバを進めていく。

  • 基本的には1〜7の数字が描かれたカードを一斉に出し、スタートプレイヤーマーカーを持ったプレイヤーから順にコマを進めていきます。コマは猫、犬、ロバの三種類があり、猫<犬<ロバの順になっています。より大きなコマの上には載ることができ、下になっているコマが移動すれば一緒に移動することになります。積極的に大きなコマの上に乗っかり便乗して移動するのが理想。ですが、そううまくいかないのは世の常。そこで出てくるのが「ニワトリ」コマの存在です。
  • 一斉にカードを出したとき、一番大きな数のカードを出したプレイヤーは自分のコマを動かすことができず、代わりに「ニワトリ」コマを動かすことができます。このニワトリコマは猫より小さい扱いのためどのコマの上にでも乗れ、ニワトリに乗られた場合はそのコマは動くことができなくなります。ニワトリコマを動かしたプレイヤーはそのラウンド移動することはできませんが、次のスタートプレイヤーになるため、わざとニワトリを貰うといった戦略もあります。
  • カードによる移動の制限やニワトリコマの存在、そして一発逆転性を秘めた特殊カードの使いどころなどシンプルなルールながら考えるところは多い。それほどプレイ時間は長くない(40分ぐらい?)が、ゲーム終了時にはかなり満足感が得られます。今回ゲームマーケットでプレイした新作の中では随一の満足度。
  • アートワークもかなりよいのですが、特殊カードの能力がパッと見で分かりにくい点だけは気になりました。デザイン性を優先したのかもしれませんが、できればサマリーカードが欲しかった。


●犯人は探偵の中にイる(義勇士団/Ejin研究所)

  • 犯人推理系カードゲーム。基本的なルールは「ジジ抜き」と呼ばれるアレで、そこにいろいろな推理風味の味付けがされている。


↑カード。

  • プレイヤーは探偵または犯人になり、凶器、動機、犯行時刻を示す証拠カードをペアにして捨てていく。探偵は場に揃わないカードと犯人役のプレイヤーを推理し、逆に犯人役は山札を引き切れば勝利となる。
  • まず気になった点として「犯人有利なゲームバランス」。というのも、このゲームペアを作っていけばどのカードが場にないかはある程度推理は可能なんですが、誰が犯人かを推理する材料がほとんどありません。山札を無くしたら犯人の勝ちなのでそこが推理材料といえばそうなのですが、探偵側プレイヤーも場にないカードを絞るためには山札を引かざるを得ず、たいていヒントになりません。
    • 山札を減らなさないようにプレイヤー間でカードを引いているとなかなかカードが揃わずグダグダになることが多いこともあり、結局山札を引かないとゲームが進まない点も難点か。
  • さらに探偵プレイヤーが他の探偵を引っかけるためにトリックカードを使うとより推理はグダグダになってしまい、犯人が何もしていないのに探偵側が自滅することもあり。せめてこの点はもう少し推理できる要素が欲しかった。というか犯人がトリックを使うのではなく探偵が使えるのって何かおかしい……。ここは犯人だけが使える特殊カードということでもよかったのでは。
  • ゲームシステム的には推理物として成り立っているのにゲームバランスとか推理するための要素が今一つ練れていない印象。いっそこれ探偵VS犯人の協力タイプのゲーム(一人裏切り者がいる)にしたほうが良かったのかも。正直色々惜しい気が。