というわけで、連休の最終日は映画でも観に行こうかということで、話題の日本産サメ映画「温泉シャーク」観てきました。
行ってきたのは横浜ムービル。ブックオフ横浜前に行くと目にする映画館ですが、映画を観に行くのは今回初めてですね。
ここの映画館は2と4Fにあるんですが、チケット売り場は2Fで売店やパンフレット売り場は4Fという中々独特な配置。最初ちょっと戸惑ったぜ。
そして今回の目的「温泉シャーク」の紹介コーナー。こういう手作り感あふれる紹介コーナーってかなり好きだぜ。如何にも小規模映画館の風情がある。
- そして、意外と客入りが多いのにもびっくり。どうみてもB級映画だったのにそこそこ席埋まってた。
<ここからめちゃくちゃネタバレあり>
というわけで低予算邦画かつサメ映画という観る前から多重苦を背負っていた本作ですが、めちゃくちゃ面白い(注:サメ映画比)じゃないですかコレ。正直、邦画でこれだけエンタメに振った映画をまだやれるんだなとちょっと感動すらしたわ。
- 前半は割と分かりやすいサメ映画的展開。開始して3分もしないうちに襲われる水着美女(助かるが)、サメ被害をなかったことにしようとする市長、サメを調査するために呼ばれる海洋学者(一人は速攻死ぬけど)と、サメ映画ファンなら親の顔より見た展開にニヤッとします。
- サメ被害の広がり方が動画投稿者経由というあたりはちょっと現代的ですが。
- ちょっと珍しいところとして「なぜ温泉シャークは温泉に現れるのか」という点について、無理やりではありますがちゃんと理屈をつけようとしていること(超絶ガバガバ理論ですが)。いい加減になりがちなサメ映画では割とまともな展開で(ちゃんと温泉シャークというタイトルを活かしてて)逆にビックリした。まぁテロップの出し方含めて「シン・ゴジラ」っぽいのがやりたかったんだとは思いますが。
- そして、比較的サメ映画テンプレしてた前半に比べ、後半は雰囲気が激変。前半の主役みたいに登場してた警察署長がサメにやられて退場、警察メンバーたちもサメにやられて脱落というウルトラマンレオ並みのリストラ展開。これは割とマジで驚いた。
- かと思えば、いきなり温泉シャークたちの特殊能力(メタンガス攻勢防御やロレンチーニ器官からのEMP攻撃)により自衛隊が返り討ちに会うなど急激に怪獣映画化。前半のダメ市長と海洋学者、謎のマッチョ(本当に最後まで謎)のトリオがビックリドッキリ潜水艦を操り、温泉シャークたちの本拠となる海底に戦いに挑むという特撮チックになっていくという、マジで先が読めないトンデモ展開がテンポよく連続で叩き込まれます。
- しかもそんな展開でありながら意外にも伏線が細やかで、建設用3Dプリンターを使って建設しています、という設定がちゃんと後半の潜水艦作る所で活かされたり、出オチで終わったと思われたマイティジャックみたいな潜水艦からパーツや魚雷のパクリ元にしていたり(いや、自衛隊は回収しろよ)、ほぼ死に設定と思われた「温泉シャークは体内にメタンをため込んでいる」という点を突いてのラストだったり。こんなぶっ飛んだ話なのに話づくりとしては割としっかりしています。
- まぁ、それでいながらせっかく前半で「温泉シャークはなぜ温泉にやってくるのか」の説明したのに、割と適当な理由で普通に陸上に現れんですがw まぁそういうところはサメ映画なので細かいこと気にしてはいけないぜw
- あと、深海でありながら生身で温泉シャークを倒せる「マッチョ」はマジで最後まで何の説明もありません(名前さえ謎)。こいつは一体何なんだ…。
- 何だかんだありながら最後は「くたばれ化け物!」で締めたところはちゃんとサメ映画してました。こういうお約束は外さない点も嬉しい(でも、あれ明らかに市長たちも吹っ飛んじゃうよねw)
- あと、エンディングテーマは掛け値なしに良い曲だった。良い曲な上にちゃんと映画のテーマも盛り込んでて、それだけに「こんなB級映画で使って良い曲かな?」という疑問が頭から離れませんでしたがw 正直、サントラは欲しい。というかなんで平沢進が音響監督やっていたんだ…(これが本作最大の謎かもしれん)。
結論としては素晴らしいB級映画。途中から超展開連続で、とにかくやりたいことを出し惜しみせずに躊躇なくぶち込んでいくスタイル。正直嫌いじゃないぜw サメ映画好きでB級映画好きなら必見。
- これ実況で観たらめっちゃ盛り上がりそうな奴ですね。マジで観てて「そうはならんやろ!?」とか「いやそれどうなっているの!?」がひたすら撃ち込まれる。ゴアシーンもそんなにきつくないし、展開の速さで退屈するシーンも少ないしで、サメ映画初心者にもオススメですね。
- あとパンフレットを買いに行ったら売り切れてた。まぁ、この映画観に来るような奴らだったらそりゃ全員パンフ買うよね…。