XBOX版「HADES(ハデス)」レビュー

 本日のレビューはXBOX版「HADES(ハデス)」。

 前回レビューした「リトルノア」プレイ後に、「ゼノブレイド3が目前だし、それまでにクリアしきれるゲームで遊びたい」「リトルノア面白かったのでローグライトなゲームがいい」という感じで始めた本作ですが、これマジで面白いわ。GamePassで遊べるからと軽い気持ちで始めてはいけなかったw

 

 ジャンルは「ローグライク・アクションゲーム」。ギリシャ神話の世界観を基にしたファンタジー作。(モチーフとかならともかく)意外とギリシャ神話メインの作品って今時少ない気がしますね。

  • そういうわけなので、本作はギリシャ神話にある程度造詣があると、より楽しめます。とりあえず聖闘士星矢のハーデス編は読んでおこうw

 

 主人公はハデスの息子であるザグレウス。こいつを操作し、最終的に冥界を脱出(家出)するのが目的となります。

  • いや、渋いところを突いてくるなぁ。ザグレウスが主人公の、というか登場するゲーム自体初めて見たわ…。

 

 こちらが親父にして冥界の王、ハデス。本作のラスボスです(ネタバレ)。

  • ザグレウスはゼウス親父説のほうが有名だと思いますが、本作ではハデス親父説を取っている模様。

 

 ゲームは冥界の奥底から、地上を目指してダンジョンを攻略していく見下ろし型アクション。由緒正しきディアブロスタイルです。

  • 部屋に侵入すると敵が現れ、それらをすべて倒すことで次の部屋への道(分岐選択)が開かれる。部屋の形や登場モンスターはランダムで、たまにアイテム販売をしているカロンが現れたり、敵がいない部屋や、逆に中ボスが現れたりと、分岐の進め方次第で大きく攻略難易度も変わってくるようになっています。

 

 部屋内の敵を全て倒すとトレジャー獲得。資金やスキル・施設拡張のための資材がもらえたり、ギリシャ神話の神々が冒険中に有用なスキル「功徳」(くどく)を貰うことができる。

  • この功徳が毎回ランダム入手であるため、冒険の度に新しいビルドで挑むことになる。これによりいつも強ビルドで挑めるわけではなく、アドリブによる攻略が求められるところがこのゲームの面白いところ。
  • 各部屋で何が貰えるかは、分岐点の入り口にシンボルが掲げられているためある程度はコントロール可能。ただ、そもそもほしい報酬が選択にさえ出てこないこともあるためどうにもならないときはどうにもならないけどw

 

 功徳を与えてくれる神々が個性的なのもこのゲームの特徴。まずは原作だと親父設定なことも多い主神ゼウス。イメージ通り雷効果を追加する功徳をくれるため、獲得すると一気に攻撃性能が上がることが多いです。お手軽に強さを底上げできるため、かなり使いやすい部類。

  • なお、本作では妻となるヘラは出てこない。さすがにザグレウスと因縁あり過ぎて出てこれなかったんだね…。

 

 聖闘士星矢でもおなじみアテナ。こいつは飛び道具反射とかの防御寄りの功徳が多い。この辺は盾(イージスの盾)持ってるイメージ通りなところ。強いんだけど、なんか微妙に出にくくて、意外と狙って取れないんですよね。

  • ただ後半ステージとなると、弾幕のように敵が攻撃してくるときもあり、アテナの功徳があるかどうかで生存率が大きく変わるため、取れるチャンスがあったら取っておきたい。

 

 酒の神ディオニュソス。こいつは酒の神らしく、「酔い」という状態異常(ざっくり言うと毒状態にする)をまき散らす功徳が強力。ただ癖がかなり強く、装備している武器によって割と使いやすさが変わる

  • しかし、君とザグレウスが同時に登場して良いのか…。この世界だと同一神(ザグレウスが生まれ変わったのがディオニュソス)という設定じゃないのね。
  • コイツと戦の神アレスは対照的な存在で、手数が多い武器を使っているときはディオニュソス、手数が少ない武器を使っているときはアレスみたいな感じで使い分けると良い感じ。

 

 ゼウスの姉にして豊穣神のデメテル。ザグレウスとも関係が深い神様だが(多分そのうちストーリー的にもかかわってくる)、本作では冷気系の功徳を主にくれる。「悪寒」という、行動速度を下げる状態異常を付与でき、攻略の安定感がぐっと上がるため本作でも一押し。

  • なお、上品そうな女神さまだが本作の世界観では「双拳」というナックル系の武器の使い手。ステゴロでティターン神族と戦っていた武闘派である。ヘスティアは電磁砲で戦ってるしこの世界のギリシャ世界はどうなっているんだw

 

 ギリシャ神話の原初神であるカオス。こいつは功徳を得ると一時的に何らかのマイナスが付くが、その後恩恵が得らえるというタイプ。リスクが高いがリターンも非常にでかいので、なるべくなら前半フロアのうちに獲得しておきたい。

 

 たまに現れては資金とか資材をくれるシシュポス。神を欺いた罪により永遠に岩を転がす刑罰を受ける詐欺師みたいなやつだが、ザグレウスにはめっちゃ好意的(そりゃ、冥界で唯一難もしないしね)。

 

 こうして様々な強化ビルドを獲得しつつ、冥界から地上に向けてダンジョンをガンガン攻略していきます。ローグライクであるため殺られると冥界の入り口に戻されてしまいますが、道中で入手できる資源を使って強化していくこともできるため、地道に育成していくことでいつかは先に進めるようになります。

  • それ込みでも難易度は高いですが。一応、ゴッドモードという実質的なイージモードもありますが、こちらも倒されるごとに強化値が上がっていくタイプであるため一気に楽に進めるとは中々なりにくい。
  • 取り合えず最初はHPが揚がるスキルと死んだときに生き返る回数を優先的に増やしていくと進めやすい(気がする)。

 

 おお、聖闘士星矢で出てきたところだ、とちょっと感動w

 

 各階層のラストに待ち受けるボスキャラたちも非常に個性的。

 例えばこの最初の階層のボスとして登場する復讐の三女神メガイラ。何度もやられたりしていくとザグレウスとの因縁らしきものが見えてくる。

  • たまに復讐の三女神の他の姉妹が出て来るときもありますが、基本的に話が通じるのはメガイラのみ。なんか一人だけまともなのでいろいろ苦労してそうw

 

 三層目のボスとなるテセウスとアルテリウスのコンビ。こいつらは二体同時に出て来るのがめちゃキツく、攻撃手段もかなり噛み合っているため慣れるまでは壁になる強敵ボス。

  • というか君たち殺し殺され合った間柄なのに仲いいのね。

 

 最終ボスとなる、父親にして冥界神のハデス。冥界と現世の境目でのバトルとなる。ラスボスらしい威厳はたっぷりですが、結局は家出の果ての親子喧嘩なのがちょっと面白いw

 

 ハデスは神話通り槍を使ってくるほか、雑魚モンスターを召喚しまくって来たり、第二形態があったりとラスボスらしい強さを持っている。というか初見だとあると思ってても第二形態みて絶望したよ…。

 

 とりあえず、結構プレイし続けてようやっと一回クリア。ビルドはこんな感じ。なんだかんだで20時間ぐらいかかったかな…。

  • このゲーム、やられて冥界に戻ったりするたびにストーリーが進んだりイベントが発生したりするんですが、マジでこのパターンが膨大。何度やられても見たことないセリフやイベントが発生するのははっきり言って狂った作り込み。これよく翻訳したもんですね…。
  • 一周クリアもまだ全然ストーリーはここから、みたいな区切りなのでまだまだ膨大に遊べそう。というかなんか縛りシステムみたいなものが追加されたし、これでクリアしなさいってことかな。マジかよ全然終わらないぞw

 

 いやぁ、これめちゃくちゃやり込みがいがあるとんでもないゲームですね。2020年ゲームアワードにノミネートされた実力は伊達じゃありません。とにかく「あと一回」が止まらない。アクションの軽快さ、ビルドの楽しさ、豊富なイベントと全方位にスキがない作り。

  • あえて難を述べるなら「やり込みがいがあり過ぎること」かなw というかマジでゼノブレイド3までは終わらん…。

 というかこれマジでインディーというくくりでいいの? インディーゲームのハードルが上がり過ぎない? ってゲーム界の未来が心配になりますw