「フォードVSフェラーリ」を見てきた

 実在の1966年ル・マン耐久レースをテーマとしたレース映画。ちょいちょいいろんな映画で予告編が挟まってて気になっていたので、私にしては珍しく公開2日目に観に行きました。

 

 さて観てきた第一感想としては「面白かったけど、思っていたのとちょっと違う」。

 というのも、予告編では主演の二人(マッド・デイモンとクリスチャン・ベール)が、デコボココンビながらも衝突しながら、絶対王者フェラーリへと挑むという「バディもののレース映画」みたいな感じだと思っていたんです。

 でも実際には「バディもの」であり「実話を基にしたストーリー」あり、「親子の愛情」あり、といった感じで、2時間半もある長い上映時間にとにかくいろんな要素をぶち込みましたといった「とにかくてんこ盛り」。トッピングマシマシのチャーシュー麺のような盛沢山な内容の映画でした。

  • 最後まで見てとにかく気になったのが「フェラーリと全然VSしていないな」w というのも物語の半分はチーム作りのための説得、マシンづくりといった部分がクローズアップされており、基本フォード側の事情のみで展開します。後半のレースに入っても、フェラーリ側とは直接的には関わらず(セリフ部分もなぜかイタリア語部分が字幕に出ないので何言っているのかわからんし)、相手のレーサーとの会話シーンなども(当たり前ですが)一切なし。VSとタイトルに入っているのに、対決感が薄い。むしろマシントラブルやフォード内でのフロントのゴタゴタなど、レースチームVS経営といった面の方がよく出ていたw
  • まぁ、実在のレースが基なのであまりかけ離れた内容にするわけにはいかないんでしょうけど、とにかくライバルとなる「フェラーリ」側の事情が全然出てこず、「迫力あるレースシーン」だけども、最後の最後にフェラーリ側はマシントラブルでリタイアしてしまうとあっさり勝負が決まってしまうんですよね。いや、実際そうなんだけどそれでよいのか…。
  • 2時間半ある割には結構場面転換が多かったり、家族のシーンにやたら尺を取られているところなども結構引っ掛かる。余計なシーン削って、もうちょっとレースに絞っても良かったのでは。
  • その分、レースシーンは迫力ある。基本車載視点が多く、スピード感有りまくり、エンジンの爆音響きまくり(爆音上映とかだともっと良いかも)でド迫力。個人的にレースシーンでは、マッド・デイモン扮するシェルビーがフェラーリに対してせこい嫌がらせを繰り広げるシーンが結構好きw

 

 というわけでレース映画としては良く出来ているんだけど、もうちょっと詰められたのではという部分が大変気になってしまった。なんかもう「いろいろ惜しい」。