もう遊戯王にいろいろ乗っ取られた当ブログ。今回もいつものように「なんか使えそうで使えない」っぽいカードを軸にデッキ構築をしていきたいと思います。
そんなわけで、今回の「なんか使えそうで使えない」カードはこいつです。
アドバンス・フォース <永続魔法>
このカードがフィールド上に存在する限り、レベル7以上のモンスターはレベル5以上のモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚する事ができる
まずこのカードを見て思うことは「死皇帝の陵墓」でよくね? という点だろうか。ライフポイントを支払うとはいえ、場のモンスターなしに最上級モンスターを呼べる「死皇帝の陵墓」と比較すると、レベル5以上という微妙に出しにくいモンスターを必要とするコイツはテンポ、カードアドバンテージ両面で劣っています。実際、ネット上でもこのカードをメインにしたデッキリストなどは特に見当たりませんでした。
また、仮に「死皇帝の陵墓」のライフポイント支払いが重い、という場合でも最上級モンスターをアドバンス召喚で呼び出すならば、カードドローでカバーできる「冥界の宝札」の方が汎用性、コンボ両面から見て使いやすい。というか単純に最上級を召喚するだけならば「ダブルコストモンスター」でも良いんじゃないかって話になります。
よって「アドバンス・フォース」を使うにはこのカードならではの利点、上記カードとの差別点を見出していく必要があるでしょう。
まず「死皇帝の陵墓」と比較した場合だが「血の代償」とのコンボが可能、ライフポイントを支払う必要が無い、相手に利用されることが無い、アドバンス召喚時に効果があるモンスターと相性が良いといった点あたりが挙げられます。特にライフポイント支払いは意外と重いので、その支払い分を別のカード効果に回すことが出来れば十分な利点となるでしょう。「血の代償」はそういう意味で二重にこのカードと相性が良いです。
そして「冥界の宝札」と比較した場合、場に並べる必要があるリリース用モンスターが1体少なくすむ点が一番大きいです。「冥界の宝札」メインでデッキを組む場合はどうしてもトークン召喚などでモンスターを水増しする必要がありましたが、こちらの場合単体で能力が高いモンスターを入れられることと、その分のモンスターを別用途に組み込める点が大きい。
「ダブルコストモンスター」の場合はどうしても性質上アドバンス召喚に利用できる属性が偏るため、「アドバンス・フォース」の方が最上級モンスターの属性を分散させやすくなることが有利な点となります。
まとめると、こんなコンセプトのデッキであれば「アドバンス・フォース」の効果を十分に活かしたデッキとなりそうです
- レベル5以上のモンスターが中心となる
- 場に並べるカードが少な目でも機能する
- モンスターをアドバンス召喚以外にも利用できる
- 最上級モンスターを属性バラけさせ、幅広く使っていく
並べただけで面倒な条件だ…。「アドバンス・フォース」自体は割と早くから目をつけていたものの、何度も組んでは「死皇帝の陵墓」か「冥界の宝札」でいいんじゃないか、となるため何度も何度も検討し直しては調整し、出来上がったのがこのデッキです。
◆アドバンス+エクシーズ召喚デッキ
- モンスター(21枚)
- 魔法(14枚)
- アドバンス・フォース:3枚
- サイクロン:1枚
- 地砕き:1枚
- 死者蘇生:1枚
- 収縮:2枚
- 増援:1枚
- 月の書:1枚
- 二重召喚:2枚
- ハリケーン:1枚
- トレード・イン:1枚
- 罠(7枚)
- 強化蘇生:3枚
- 聖なるバリア ミラーフォース:1枚
- 血の代償:2枚
- アンデッドの呼び声:1枚
- エクストラデッキ(10枚)
- キメラテック・フォートレス・ドラゴン:1枚
- ジェムナイト・パール:2枚
- 希望皇ホープ:2枚
- ヴァイロン・ディシグマ:1枚
- カチコチドラゴン:1枚
- 始祖の守護者ティラス:3枚
私のデッキにしては結構珍しい42枚構成のデッキ。まぁ単に削りきれていないだけなんですが…。
まず「アドバンス・フォース」を活かすためのレベル5モンスターの供給先として自分でレベルを変動させることが出来る「ガガガマジシャン」「ゼンマイソルジャー」と、墓地のレベル4モンスターをレベル5にして蘇生できる「強化蘇生」を使用しています。「バルバロス」も妥協召喚でとりあえず出せるのでアドバンス召喚の餌にできます。
- 特に「強化蘇生」はこのデッキの裏のキーカードの一つで、召喚権を使わずにレベル5モンスターをスムーズに召喚する役として大活躍します。コストとしてラウンド毎のライフ1000支払いも、とっととアドバンスの餌にしてしまう場合は問題なし。残ったら残ったで「ハリケーン」で回収して再利用します。
こうして呼び出したレベル5モンスターですが「アドバンス・フォース」が手札に来ない場合は「始祖の守護者ティラス」のエクシーズ召喚としても使えます。タッグフォース6では(多分)唯一のランク5エクシーズですが、その出しにくさに見合った強さを持ち、こちらだけでも押し切れる場合もあります。
また、場に出るモンスターが少な目で防御モンスターを突破しにくいという問題も貫通効果持ちの「古代の機械巨人」「光神機−轟龍」で乗り切りやすく、墓地の特殊召喚に対応していない「創世神」も、このデッキであれば召喚は簡単にでき、一度召喚できればアドバンス召喚のコストに使ったモンスターをさらに再利用してエクシーズ召喚に繋ぐことも出来ます。
とまぁ、実際にこうして「アドバンス・ドロー」メインでデッキを組んでみて分かったのは「死皇帝の陵墓」と違い、相手に利用されないことから割と気軽に場に出せる、「冥界の宝札」と違いコンボ主体でなくとも良いため、爆発力こそないものの意外とモンスターを柔軟に運用できる点から、当初思ったよりも使えるカードだったこと。
- その分召喚権は割と常にギリギリなため「強化蘇生」「血の代償」「二重召喚」あたりの場のモンスターを増やせるカードが来ないと動きが鈍いという弱点はあります。召喚系付与系のカードを増やすか、もっと蘇生メインのデッキ構成にするなど割り切った構成にしたほうが安定するかも。今回はテーマから外れるのでやりませんでしたが「死皇帝の陵墓」と併用して使っていくのも良いかもしれません。
- あと、エクシーズモンスターはレベルが無いため、エクシーズモンスターを「アドバンス・フォース」でのリリース要員にできない点も欠点かな。うっかりそれを忘れていると「レベルを持たないならレベル0ではないのか」を地で行く事になりますw
とりあえずジャックのレベル9デッキと何度か対戦してみて、そこそこ勝ち切れる程度には使えました。今後も調整は続けていきますが、方向性は難しいもののその分挑戦し甲斐のあるデッキテーマといった感じでしょうか。