映画「ゴジラFAINAL WARS」感想

 ついこの間の「シン・ゴジラ」以来、久しぶりに特撮熱、ゴジラ熱が蘇ってきたのでHuluでゴジラ映画連続鑑賞中。ついでなので感想などを挙げてみる。

 さて、よりによって初手がこの問題児映画「ゴジラFAINAL WARS」である。何で私はこれを最初に選んでしまったのだ…。


 まぁ、ありていに行ってゴジラ映画としては駄作ギリギリ、でもお祭り映画としては十分、といった感じの内容だと思います。
 (放映当時)ゴジラ最終作ということで公開されたこの作品、最後だからという名目から歴代登場怪獣が大量投了(15体)だけでなく、「海底軍艦」の轟天号やX星人も登場という東宝特撮総決算的な内容となっています。


 ただこの映画、さすがに要素を盛り込みすぎていて、どうにも見どころが散ってしまっている気がします。世間一般でよく言われる評価としては「人間同士の対決シーンが長い」というところですが、他にも「近未来的な世界観にしたいのか昭和的な世界観にしたいのかよく分からん」、「CG部分と操演部分の演出の違いが大きすぎて目立つ」、「ヘドラ活躍しなさすぎ」あたりは見ていて非常に気になりました。

  • 人間側のドラマシーンも、最初の対マンダVS轟天号や、防衛軍VSエビラあたりは悪くなかったのですが、さすがにそこからもゴジラそっちのけでVSX星人のシーンが延々続くあたりは「これ仮面ライダーの映画だっけ?」という気分になります。ゴジラ映画なのに、ゴジラの出番が少ないのは流石にどうか。
    • その分、ゴジラの暴れっぷりは凄かったですが。凄まじい強さで最後までろくに苦戦しないあたりは歴代最強じゃないでしょうか。
  • あとX星人役の北村一輝がいろいろな意味で怪演過ぎる。有名な「マグロ食ってるような奴はダメだな」のシーンはもとより、ガイガン起動シーンとかは思わず言葉に出して読み上げたくなるハイテンションっぷりw いい意味でも悪い意味でも目立ちすぎです。
  • 登場怪獣についても、ラスボスがカイザーギドラ(モンスターX)というギドラ族なのは妥当ですが、まさかのガイガン大活躍w 初戦でゴジラにあっさり撃破されたかと思えば後半サイボーグ化(すごく見た目悪者っぽい)してモスラと死闘を繰り広げるなどものすごい優遇っぷり。最後のシーンも笑える自爆っぷりで、ある意味ゴジラより目立ってたw
  • ほかにも個人的見どころとして「アンギラスラドンキングシーサーVSゴジラ」のシーン。ここだけやたらと昭和怪獣プロレス感バリバリで見ているだけで笑えます。ラドンアンギラスは分かるけど、なんでこんなキングシーサーが優遇されたんだw
    • でも、その分一部の怪獣の出番がかわいそうな事になっていましたが…。あの昭和屈指の強敵だったヘドラはエビラ以下の出番だし。他にも、大怪獣総攻撃でタイトルからはぶられたバラゴンは今回まともに登場すらしねぇ(ちらっと映る程度でゴジラと戦わない)し、チタノザウルスもメガギラスも出番一瞬だし。人間ドラマ部分を少し削ってこちら側に時間を割いてほしかったな、という印象。
  • 全体的に近未来っぽさを頑張って出そうとしているのだが(特に防衛軍のシーン)、中盤あたりにミニラと少年+老人のシーンがちょくちょく挟まるようになり、この部分が昭和感丸出し(ウルトラQのような絵面…)過ぎで、もうこの映画の世界観が分からなくなります。最後、軽トラで決戦地に訪れるし、防衛軍と並び立つシーン含め、凄い異物感が…。この二人いらなかったんじゃないかな。


 というわけで、この映画は深く考えず頭空っぽにして見るのが良いですね。ゴジラ映画としては確かにあれですが見どころは結構多く、特に最後のカイザーギドラ戦の最終決戦部分は結構迫力あって良く出来ています。