ゲームマーケット2015秋に出品されたゲームで遊んでみた(その2)

 ゲームマーケット2015秋に購入した新作同人ゲームについて、またまたいくつか遊ぶ機会を得たので感想まとめ。

  • 基本的に同人ゲームのみのレビューとなります。またあくまでゲームマーケット2015秋に出品されていたゲームですので、初出が2015秋ではないものも含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

●to beer or not to beer(scamount)

  • いろいろな地ビールを飲んで、バーストギリギリを目指していくバースト系ゲーム(リバースとか言ってはいけない)。ビールの銘柄や写真はちゃんと実在する地ビールで、カードビジュアルは非常に良い雰囲気。

 
↑ビールを飲んで得点。キャラクターによって好みが違う。

  • やることは単純明快。まずゲーム開始時にどのグラス(ハーフパイント、USパイント、UKパイント)で飲むかを選択します。手番が来たら山札からビールカードを1枚引き、それを飲む(自分の前に置く)か、誰かに押し付けるか(他プレイヤーの前に置く)します。
  • カードに記載された数字はゲーム終了時の得点であり、かつアルコールを飲める限界点に関係しています。ゲーム終了時に自分の前に置いたカードの合計値×グラス補正(3倍〜5倍)を計算し、50以下であれば得点となりますが、50を超えてしまった場合「限界を超えた」(婉曲表現)ため得点なしとなってしまいます。また、ゲーム開始前に配るキャラクターカードはそれぞれが好みのビールがあり、それを飲んでいる毎にボーナス点が入ります。これと限界点を踏まえたうえで、どのビールを飲むか、飲まずに押し付けるかが駆け引きのポイント。
  • ただこのゲーム、プレイしてみた限りですがまず意外と限界要素が高く、さらに限界を下げる水やビールをこぼさせる(破棄させる)カードの存在もあり、ハイアルコールビール以外のビールは危険度がほとんどありません。特に最初にハーフパイントグラス(×3)のグラスカードを出していた場合、相手に渡すことなく好みでなくとも気にせず飲み続けるほうがよいぐらいです。そういう意味ではUSパイントグラス(×4)以上を使った方が緊張感出るかも。ほかにもゲームテンポがバースト系のゲームの割には冗長に感じるなど、非常によいビジュアルなのにいろいろ惜しいと感じました。


●はんか通骨董市(OKAZUbrand)

  • ゲームマーケット常連にして数々の名作を生み出してきた「OKAZUbrand」の新作カードゲーム。なんとなく通ぶった商人となって商品を集めていくセットコレクション系ゲーム。
  • まず「仕切り」という名のスタートプレイヤーはラウンドごとに決められた枚数の商品カードを場に並べます。そこから順番を変更せずに、カードの山を「甲」「乙」二つの山に区切ります。


↑ちょっと見づらいですが、商品カードの列を「仕切り」カードで区切ったところ。

  • 各プレイヤーは「甲」「乙」のカードを使い、どちらの商品カードの山が欲しいかを投票します。このとき、どちらかの片方の商品カードが欲しいプレイヤーが1人だけだった場合はそれをすべて獲得し、2人以上が投票したカードの山はまた二つの山に分けて再投票します。これを繰り返し、すべての商品カードが獲得されたら、新しい商品カードを場に並べます。


↑獲得した商品カードは公開する。

  • 商品カードはそれぞれカードに描かれた数字が得点となりますが、種類ごとに限界枚数があり枚数を超えて集めてしまった場合、得点は取れずただのガラクタとして1枚−1点となってしまいます。そのため、出来るだけ取る枚数は制限したいのですが、うまく都合の良い商品カードを取れるとも限りません。
    • また、誰も取れなかったカードが出た場合、「元締め」カードを獲得したプレイヤーがすべて総取りするのですが、これが前半はともかく後半は非常に事故要素になりやすいです。このカードは仕切りプレイヤーが商品カード束の任意の位置に紛れ込ませることができるため、後半はこのカードを巡る攻防も重要。
    • 他にも自動的に最大枚数の骨董になってしまう「贋作」や、カード山から1枚カードを引く「儲け話」等もタイミング次第では大やけど必至。このあたりのカードはどのタイミングで取れるか、誰に取らせるかなどもよく考えて投票していかないといけない。
  • カードの切り分け方や場の空気を読みあっての投票など、各プレイヤー毎のカード価値の違いからくる読みあいが非常に悩ましくも面白いゲーム。OKAZUbrandは毎回完成度の高いゲームを発表していますが、このゲームその中でもかなり上位レベルの完成度ではないでしょうか。
    • ゲーム内容が内容だけに、なるべく多めの人数でプレイした方が面白いと思われます。個人的には5人プレイがオススメ。


●ヤオチュー(SHINOJO)

  • 以前紹介した、索子+撥だけの麻雀「オールグリーン」に続くミニ麻雀カードゲーム第二弾。タイトル通り麻雀のヤオチュー牌(1、9、字牌)のみという非常に尖った内容で、カードの性質上順子が作れませんw
  • 基本麻雀のルールにのっとって進行する点はオールグリーンから変わりありませんが、各プレイヤーのカード枚数が5枚から8枚に増えた為、順子がないのにより麻雀らしさや読みあい、駆け引き要素があります。意外ですが役満は結構難しく(手札8枚なので国士無双がないこともデカい)、意外にもじりじりした点の取り合いが重要となっています。
  • ゲーム難易度としてはオールグリーンよりも麻雀に近くなったゲーム性で、難易度もそれ相応に上がった感じ。麻雀好きの人にはこちらのほうがオススメかな。逆に麻雀にあまり慣れていないプレイヤーはまずオールグリーンからプレイした方が良いかもしれません。私はこちらの方が好みかな。
    • 役の得点計算は慣れるまでは割と分かりにくい(麻雀にない独特の役もある)のですがカードサイズのサマリーがないのがちょっとマイナス。プレイヤー数分の役表コピーがあるとかなり遊びやすくなります。
  • なおゲームとは全然関係ないのですが、各カードにはそれぞれの麻雀牌の模様のほか、謎のオジサンオバサンたち(多分雀士)が描かれているのですがなんでこんなデザインなんでしょうw 凄い気になります。


●めじろおし(シンガリハット)

  • ストレートなダジャレタイトルと、可愛らしいイラストが目を引いたシンプルなカードゲーム。「めじろあつめ」と「めじろかいほう」という二つのルールが入っていましたが今回はよりゲーム性の高そうな「めじろかいほう」をプレイ。
  • 三つのスート(梅、桜、ミカン)にそれぞれめじろが1〜3匹書かれたカードがあり、始めに2枚の手札を作ったところからゲームスタート。カードを1枚引いて三枚にし、特定の組を作ったらカードを場に公開します。
    • 基本的にカードの組は「同じスート」で「違うめじろの数」であるか、「違うスート」で「同じめじろの数」となります。カードにはほかにも「ヒヨドリ」がいて、これはワイルドカードとして使用可能。
  • そして公開したカードから任意の1枚を自分の場に残し、残りを捨てます。そして山札から2枚のカードを引き、場に出たカードと同じカードがあればアガリとなりラウンド終了。もしカードが場に出たカードと違う場合は捲ったカードを手札としゲーム続行します。
    • たとえ上がれなくとも場に出したカードはそのまま残るため、これを繰り返していくといずれアガリを引ける可能性は高くなっていきます。また、カードの組を作る際は誰かが捨てたカードを「メジロン」と宣言することで使うことも出来ます(麻雀のポンみたいな感じ)。
  • ゲーム進行はサクサクながら意外と面白い。捨てカードの記憶や場に公開されたカードから山札をカウンティングしていくなどの駆け引きもそれなりにあり、そこそこの戦略性と運要素がなかなかバランスよく出来ています。カードイラストの可愛らしさもあり、500円で購入したゲームとしては結構満足度高いかも。
    • でもこの鳥はどう見てもめじろではなくペンギンだと思うw 可愛らしさとブサイクさが同居した絶妙なイラストデザインは一見の価値あり。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 とりあえず、4つほど新作プレイしてみましたが、この中ではやはり「はんか通骨董市」が図抜けて完成度高いですね。これ、買っておけばよかったな。
 あと「ヤオチュー」も結構好き。麻雀好きならオススメできますね。