「ダイスゲーム百科」

 書籍二つ目は大分前に勝ったけど、なかなか読む機会がなかった「ダイスゲーム百科。

ダイスゲーム百科

ダイスゲーム百科

 著者はかのライナー・クニツィア。とにかく古今東西あらゆるダイスゲームばかりを集めた本。
 トランプとは違い、多彩なバリエーションを生むのが難しそうなダイスゲームというジャンルで、良くこれだけ集めた物だと感心します。

  • トランプゲームとの大きな違いといえばやはり短期間で勝負がつく、ギャンブル系ゲームの多さが目につきますね。それを受けてか、本書の3章は目の組み合わせと確立だけが載っていてゲームが一切紹介されていなかったりと、ダイスゲームだけでなく、それにまつわる理論なども度々挟まっているあたりが印象的。このあたりは数学博士のクニツィアらしい切り口とみるべきでしょうか。
  • ゲームに対するバリアントルールの記述がやたら充実しているのも特徴で、いろいろな遊び方が多数紹介されているのは良いのですが、全体的に文字ばかりで図が少なく、ゲームの動きが全体的にわかりにくい点がちょっと気になります(トランプと違ってダイスの動きってあまり頭の中で想像できないんですよね)。ここはもう少し気を使ってほしかった。
  • また元々が海外の本のためか、たまに日本で一般的なタイトルとは違う名前になっていたりして困惑することも。たとえば有名なギャンブルダイスゲーム「クラップス」はなぜか家庭用の「プライベート・クラップス」とギャンブル用の「バンク・クラップス」に分かれていたり、一人用ダイスゲーム「Shut the Box」(シャント・ザ・ボックス)がなぜか「箱を閉めろ」と聞きなれない日本語タイトルになっていたり(これは日本でも英語タイトルの方が通りいいと思う)して、微妙に検索のときに困ります。気にならない人は気にならないだろうけど…。

 ページ数も254ページと読みごたえはあり、資料性も高い一冊です。値段が2100円とちと高いのが難点ですがまぁ専門書だしこんなものかも。