マイナーゲームの集い[第十二回:キミの勇者]

世間ではドラクエ9攻略の真っ只中であり、あと一週間もしないうちにモンハン3が控えている中、ひっそりと更新の十二回目はこのRPG

■キミの勇者■ ニンテンドーDS(2008/10/23)
開発/販売:SNKプレイモア

 SNKプレイモアから発売されたRPG。発表から発売までが結構長かったため、ちょっとドキドキした思い出がある一品。
 内容はごく至ってオーソドックスなRPG。キャラクターデザインは同社の「どきどき魔女神判」の人と同じ人だけあって可愛らしく、愛嬌のあるモンスターとあわせて、全体的にどこかほのぼのした雰囲気となっている。

 ストーリーは魔法使いで勇者に憧れるお嬢様「ティオ」と、天然の少年勇者「ワンダ」を軸に、多くの仲間が集い、やがて魔王を倒すという王道的な展開の物語・・・と見せかけて、後半では大きなどんでん返しが待っている。クリアまではそれほど長くなく(サブイベントを含めて30時間ちょっとでクリアできた)、かつストーリーが章単位でまとめられているため、携帯機のRPGらしくちょっとずつ区切りよく進めることが出来るのもプラスポイント。

  • 全25話。最終話はエンディングのため、実質24話。ひとつひとつは大体1時間ほどで終わるため、1日1話ずつすすめるなど
  • チュートリアルでの説明のほかに、ストーリーを進めるごとにちょっとずつシステムが開放されてゆくため、ゲームシステムが分かりやすいことも嬉しい。

 戦闘シーンはDSの上下二画面を広く使った画面構成で、キャラクターが良く動き良く喋る。それでいてかなりテンポ良く進み、また連続で同じターゲットに攻撃した際に「連携」や特定の「星技」(このゲーム魔法みたいなもの)の組み合わせにより「上級星技」や「覚醒星技」が発動するなど、結構戦略性もある。
 ワールドマップはなく、基本的にはダンジョン探索で進むが最初から全エリアが開放されているわけではなく、サブクエストを受けるごとにちょっとずつ開放されてゆく。そのため、ストーリーを進めるだけなら全てを歩き回る必要は無く、かつサブクエストを受ける頃にはマップが大体完成しているため、道に迷いにくくなっていると親切設定。

 上記のように、ゲームそのものはプレイヤーにとって遊びやすく、かつ詰まりにくいように出来ており、非常に丁寧に作られた佳作といった印象を持った。電源入れてすぐにプレイできるように企業ロゴが出ないなどはその主たるこだわりのひとつだろう。
 個人的には2008年度のDSのRPGのなかでもかなりの良作だと思う。難易度も難しくなく、それでいてやりこみ要素もきちんと兼ね備えている。初心者向けにぴったりの一本だろう。

 難を言えば、ダンジョンパートでの移動速度がやや遅いこと*1と、上級星技および覚醒星技の条件となる技がどれなのか分かりにくい(本編中にヒントが少ない)ことが気になるぐらいか。
いまなら安く手に入るので、気になる方はぜひ・・・といいたいところだけど、今年8月以降のDSのRPG率が半端無いことになっているので、なかなか日の目を見るのは難しいかな。いいゲームなんだけど。


初回版についていた小冊子。何気に出来がいい。
おまけについている外伝小説はかなりのネタバレなので、プレイ後に読むべし。

■ワンポイント攻略■

  • ストーリーのほかに、サブシナリオとなるクエストが各地の街のギルドで受けられるが、これには制限時間がありある程度章を進めていると消滅してしまう。クエストについている期間の目安となる星が1章ごとにひとつづつ減っていき、0になるとクエストが消滅するので、章を進める前に各地の街に立ち寄って確認したほうがいい。
    • また、特定のアイテムを手に入れる系のクエストは先に進めると入手困難になるものもある。スライムの玉、スライムの雫、コウモリの心臓、ゴブリンの肉あたりはいくつか余分に取っておくと良い。
    • 第4話で受けられるクエストには期間が1しかないものがあるが、コレを逃しても一応15話で再度受けられる。
  • 戦闘中セレクトボタンでオート戦闘。Bボタンでメッセージ送りができる。覚えておくと便利な操作。
  • 特に連携や覚醒星技を意識しない場合は、ドワーフのドランゴがオススメのパーティメンバー。他のキャラに比べて一人だけ別次元の攻撃力の高さをもっている。HPや防御も高いため、倒れにくい。
    • 他には「セラの盗み」がつかえ、素早さの高いアロマか、全体回復が便利なリュネートあたりが使いやすいか。
    • 基本的には誰を使っても問題なくクリアできると思われる。

*1:ダッシュ状態でもそれほど早くない。ただし、エンカウントはそれほど高くないのであまり気にもならない