マイナーゲームの集い[第十一回:麻雀刑事]

 前回からだいぶ間が空いてしまった。久しぶりのマイナーゲームは麻雀ゲーム。

■麻雀刑事■ ゲームボーイアドバンス(2001/7/12)
販売:ハドソン

 麻雀ゲームなのになぜか推理アドベンチャー付という変り種。何気にGBAで最も早くに発売された麻雀だったりする。
 まず主人公の名前を決め、新人刑事として七曲署*1に配属される。そこでボスから刑事としてのニックネームをルーレットで付けられる(「ジャージ」刑事とか)。納得いくまで何度でもやり直せるので、気に入ったニックネームが出るまで粘るもよし。
 ストーリーモードの流れとしては事件発生→1日ごとに情報を集めるパートがあり、7日以内に解決できないと迷宮入りとなる(よくよく考えたらヒデェな)。
 そして情報集めの際に話を聞く場合には麻雀で勝たなければならない。脱衣麻雀の脱衣部分が情報提供になっていると思ってもらえればよいだろう。
 でも、目撃者や情報屋はともかく、鑑識班からの情報提供さえも麻雀で勝負しないといけないって・・・(当然負けると情報はもらえない。不祥事じゃないのかコレw)
 そして情報が集まったらホンボシ特定で犯人を締め上げに入る。当然、ここでも麻雀で勝たなければ犯人検挙には至らない。
 ひとつの事件が解決したら、また新たな事件が始まる、という流れである。

 上記のようにどう見てもイロモノっぽいこのゲームだが、肝心の麻雀部分はかなり良くできている。
 基本的にはイカマサ無しの実力勝負。異様に細かいルール設定が可能になっており、クイタンや一発、ダブロン、トリプルロンの有無はもちろん、ワレメ、赤五の有無、ドボン、焼き鳥、ウマの有無やその際に計算する点数の設定、七対子時の符計算方法や二翻縛り、満貫切り上げといった制約の変更、果ては十三不塔や三連刻、四連刻、大車輪といったローカル役の適用にいたるまで多岐に渡る。一体、だれが得するんだコレはw
 
 そしてストーリーモードではこれらのルール縛りのみならず、様々な条件によって勝ち負けが決まるのも面白い。
 たとえば「東風戦で三色同順で上がれ」といった特定の役を出せといったもの(主に二翻役が多い)や、「4着になるな」「1着になれ」といった順位戦のもの、全員の持ち点1000点の状態で勝ち抜けなど、勝敗判定のバリエーションが多い。
 しかもこのゲーム、オートセーブ完備で、対局中に電源を切っても次にプレイするときは電源を切る前の状態から始まるので、インチキも出来ない厳しい仕様。
 基本的には同じことの繰り返しとなるストーリーだが、時々は通常の事件ではなく七曲署の元ネタのドラマのごとく「刑事殉職」イベントが挟まるのがミソで、ここで敗北すると個性的な仲間の刑事がひとり殉職してしまう。その場合、変わりに新しい刑事がひとりやってくるので、助けるもよし、気に入らない刑事を見殺しにするもよし(ヒドイ)。

 ストーリーモード以外にも、ルールを自由に決めて対戦できるフリーモードや、持ち点持越しでどこまで勝ち進めるかを競うサバイバルモード、そして1カートリッジでの4人対戦と、豊富なモードがある。
 見た目のイロモノっぷりからは想像も出来ないが、麻雀ゲームとしての完成度は高い。
 GBA一発目の麻雀ゲームとしてはかなり良くできている。元々が麻雀だけに今プレイしても十分に面白い。

 難点として、まず牌の表示が結構小さめであること。このため、一部の牌が凄く分かりにくいことがある。(九荘や九筒あたりが凄く観辛い)また捨て牌の河がなぜか2列に並べられるので(通常だと3列)、残りの牌の数が直感的に分かりにくい。(一応画面中央に表示はされるのだが、見落としがち)
 そして最大の難点として、対戦相手の手元の牌が見えないこと。デフォルトでは捨て牌しか見えない状態であり、確認するためにはBボタンを押しながら十字キーを操作し、画面をスクロールさせる必要がある。このため、どこから牌を斬ったのかや、鳴きが入った状態が非常にわかりにくく、それをいちいち確認するのもかなり面倒である。ここは正直何とかしてほしかったと思う(画面サイズ的に無理だったんだろうなぁ)。

現在ではIPhoneiアプリとしてもプレイできますので、ちょっと(変わった)麻雀がしてみたい、という方にオススメです。

*1:これで笑える人はもう結構いい歳か・・・