マイナーゲームの集い[番外編:MSXとカシオ計算機]

前回、夢大陸アドベンチャーMSXについて語ったが、今回はそんなMSXのソフトでも異彩を放っていたカシオ計算機発売のゲームを語りたいと思う。
MSXのソフトといえばとにかくコナミのゲームがひときわ大きな存在感があった。
前回の夢大陸アドベンチャーのほかにもグラディウスシリーズや沙羅曼蛇パロディウスやスペースマンボウ(超傑作)などのシューティングシリーズ、魔城伝説3部作(個人的にはIIが一番好きだった)、そのほかにも様々な良質ゲームがそろっていたからだ。

対して、MSX1の製造メーカーでも会ったカシオ計算機が出したカシオMSXソフトシリーズ*1の評価は、それとは対照的に今も昔も微妙と言わざるを得ない。
どこかで見たゲーム内容のゲームが微妙とも言えるグラフィック、かつ微妙なプログラム。大体がそんな感じで、ゲームとしての面白さも微妙なものが多かった。
ちょっと前までは秋葉原などでは、カシオ計算機のソフトは大変微妙な値段で売られていた(1000円とか2000円とか)のもやむなきかな。*2

だが、そんな微妙なゲームの中にもきらりと光るソフトはあったんである。なぜかちょっと憎めない、小粒だけど思い出に残る、そんなソフトがいくつかあったんである。
今回は、個人的に大好きだったカシオ計算機のソフトをまとめて紹介。

  • カシオワールドオープン
    • カシオMSXソフトシリーズのNo14。
    • ゴルフゲーム。ゲージとか、ゲーム性とかはまんまファミコンのゴルフである。
    • ただし表面18ホールほか、コースが反転した裏面などもあり、意外と遊べた。
    • ウラワザか何かで、常に強風しか吹かないモードがあったような気がする。これでやると勝負がとたんにカオスになる。
  • 妖怪屋敷
    • カシオMSXソフトシリーズのNo23。
    • これ単体でレビューを書きたいぐらいにはまったアクションゲーム。
    • 広大なマップの中を、ヒロインを探して回るマップ探索の要素がありところどころに登場するデカイボスキャラありと、最新の2Dドラキュラの走りのような要素に満ちたゲームだった。
    • 武器の懐中電灯は体力がマックス時には遠距離攻撃(ゼルダの剣が飛ぶ感じと思っていただければ)となり、いかにこの状態を保つかが鍵だった。
    • ファミコンにも移植されているが、こちらはほとんど別物になっていたのが残念。
  • 仔猫の大冒険
    • カシオMSXソフトシリーズのNo24。
    • 個人的にはカシオシリーズの大問題作。ゲームそのものは二足歩行の子猫が敵を蹴散らしながら進む横スクロールアクション。ただし例によってMSXにはスクロール機能がないので画面の端まで進むと画面が切り替わるゼルダ式。
    • ゲームそのものの出来は結構良く、当時よくあったスーパーマリオオマージュのゲームの中では、MSXの処理能力の低さの割りにがんばっていたと思うのだが、問題はそのキャラクター。
    • 主人公の子猫は某サン〇オのキ〇ィにそっくり…というかずっとこれキ〇ィだとばかり思っていたぐらいに似ているのだ。当時、これ問題にならなかったのだろうか?
  • 賢者の石
    • カシオMSXソフトシリーズのNo25。
    • 内容はいわゆるアクションアドベンチャーで、ゼルダの伝説のダンジョン面のみ切り出したような内容のゲーム。
    • グラフィックは素朴で操作性もシンプルだが、隠し部屋やワープ、パスワードコンテニューなどもあり、けっこう攻略しがいはあった。
    • 惜しむべきは容量不足からなのか敵パターンが少なく、ゲームそのものがやや単調だったこと。
    • 宝玉を取っておくと、特定の部屋で魔術の印と引き換えることができるが、いまだにこれらの印の効果がよくわからない。誰がご存じないでしょうか?
  • モアイの秘宝
    • カシオMSXソフトシリーズのNo30。
    • 一連のMSXソフトシリーズの最後期作のひとつで、このあたりまで来ると初期のうさんくささが抜けて、結構完成度も高いソフトだった。
    • シロクマの冒険家を操り、マップ内にある鍵型の岩を破壊してゴールまでの道を作るアクションパズルゲームなのだが、敵を押しつぶすために岩を破壊していたら詰んでしまうなどが多々あり、かなり歯ごたえのあるゲームだった。
  • 闇の竜王 ハデスの紋章
    • カシオMSXソフトシリーズのNo31。
    • 上記で紹介した賢者の石の続編なのだが、いかにもなタイトルとは裏腹にゲームジャンルはなんと縦スクロールシューティングで、しかもファンタジーだった前作から大きく変更してSFチックな世界観となっている。これ本当に続編なのか?
    • 上下スクロール*3時にけっこう動きがガクガクしていた記憶がある。
    • ゲームそのものは結構面白いのが、難易度はかなり高かった。記憶があいまいだが、たしか二周しないとエンディングにはたどり着けなかったような気がする。
  • 一寸法師のどんなもんだい
    • カシオMSXソフトシリーズのNo32。
    • たぶん、カシオMSXソフト最終作。左から右に強制スクロールするアクションゲーム。
    • 主人公は一寸法師なのでおわんに乗って川を流され、やってくる魚や鬼を針でつついて倒してゆく。一転してボス戦では、ボス鬼との一騎打ちとなるが、この鬼がまた異常に強く、通常攻撃ではまず勝てない。
    • 道中の雑魚から打ち出の小槌をとっておき、それをボス戦で使用すると一定時間無敵となるのでこれを利用して倒すこととなる。あらかじめボス攻略計画を立てることが重要。


なお、上記のソフトのうち、仔猫物語やカシオオープントーナメント、妖怪屋敷などは「MSXマガジン 永久保存版3」で収録されているので、興味があるかたはぜひプレイしてみてもらいたい。
個人的には、どこかの誰かが版権を引き取ってWiiのバーチャコンソールに出すと言う暴挙に出ないかとちょっと思っている。

*1:全32本(だと思う)。中にはコナミとかのライセンス商品も混じっていた

*2:あまりに微妙すぎるのか、現在では入手困難だったりする。買っておけばよかった。

*3:MSXは横スクロール機能は無いが、縦スクロール機能はあった