マイナーゲームの集い[第四回:夢大陸アドベンチャー]

マイナーゲーム紹介四回目。今回は多分これまで取り上げてきたゲームの中でもぶっちぎりでマイナーなハードから生まれたこのタイトル。

夢大陸アドベンチャー■ MSX(1986/9) 開発/販売:コナミ

MSXをもはや知らぬ人も多いと思う。かつてマイクロソフトの極東担当副社長兼アスキー社長であった西和彦(今何してるんだろ?)によって提唱された共通企画パソコンのことで、様々なメーカーが参入、開発していた。*1そんな時代があったのである。

我が家にあったMSXカシオ計算機製のMSX1*2だったと記憶しているが、その中でおそらく最もやりこんだゲームがコイツであろう。

擬似3Dのフロントビューアクションゲーム。ペンギンのペン太*3が、不治の病に侵されたペン子姫を助けるため、フリーザウルスと呼ばれる恐竜達がはびこる夢大陸を横断し、どんな病も治すゴールドアップルをとってくると言うもの。

このゲームの前に「けっきょく南極大冒険」という同コンセプトのゲームがあり、基本的な見た目は良く似ているのだが実際プレイして見ると全くゲーム性が異なる。

上下でペン太のスピード変更。基本的には自動的に前に進み、左右の移動やジャンプで障害物を避けつつ、時間以内に面をクリアする必要がある。
面構成も、通常の地面を走る面のほか、川を泳ぐ面(時々流木が流れてくる。あたると1ミス)や海を泳ぐ面(上下にも移動できる)、果ては宇宙(ボーナスステージ)など多彩で飽きない。
ゲーム難度的にはかなり難しいが、道中できちんとアイテムを回収し、ワープなどを駆使してゆけば十分クリア可能なレベルにまとまっている。

またMSX版はPSG音源のみにも関わらず、FM音源を内蔵しているかと思える多彩な音楽で、この時代のゲームでも最高ランクではないかと思う。*4

欠点としては、エンディングの条件が難解すぎたこと。(ワンポイント攻略参照)当時、どうやったらペン子姫を救えるのか全く分からず、苦労してクリアしてもバッドエンドになること多数だった。
そんな罠があるものの、ゲーム本編についてはそれほど欠点らしい欠点が思いつかない、当時としては群を抜いた完成度だった。*5

今だと、iアプリかSiアプリでプレイ可能なので、ぜひ一度は体験してもらいたい良質アクションゲームである。

▲ワンポイント攻略▲
  • 時々あるサイズの小さな地割れに入るとショップがある。道中現れる魚を拾うと、それで買い物が出来る。
    • まず真っ先に、スロットを行い、魚の数を増やすのが勝利の鍵。
    • 通常は3回やるとそれ以上スロットが出来ないが、「ネックレス」をとると魚が0になるまで何度でもプレイできる。
  • ショップには良い店主と悪い店主がいて、悪い店主のほうは値段が高くなる。たまに無条件でアイテムをくれるサンタもいる。
  • アイテムは「ガン」「プロペラ」「羽」「スピードシューズ」あたりが重要。これを真っ先にそろえるべし。
  • アイテム「腕輪」を持って道中に特定のアクションを行うと隠しアイテムが出る。
    • 重要なのはステージ6で取れる「クロスシューズ」(左右の移動スピードが上がる。)とステージ13で取れる「カーブシューズ」(カーブで遠心力に振られなくなる)あたり。
      • 「クロスシューズ」・・・ステージ6で魚をジャンプ中に5回キャッチする。
      • 「カーブシューズ」・・・ステージ13でカーブ中に一番内側のコースを3秒以上走る。
  • MSX版と、後のPS、SS版ではエンディング分岐条件が違う。
    • MSX版では、ゲーム中ポーズをかけた回数が4n+1回の場合(つまり、5回目、9回目、14回目・・・)にグッドエンドとなる。つーかこんなの気がつくか。PS版、SS版では4n回になっていた。
▲おまけ▲
  • MSX2のダブルカセットで、グラディウス2を挿しているときに一緒にこいつを指しておくと、自機がペンギンになるのは有名な技。なお、筆者のまわりにMSX2を持っている人間がいなかったため、これを一度も見れなかったことが未だに悔やまれる。

*1:開発していた社はソニーや三洋、ビクターなど結構たくさんあった。

*2:アンテナでテレビに電波を飛ばして表示すると言う、今考えてもおかしい代物。

*3:漫画版ではこの名前だった。ゲーム中に名前があったかどうかは覚えてない

*4:何かのゲーム雑誌でわざわざソフトを分解して、FM音源内蔵でないかを確認していたような気がする。

*5:メタルギア」シリーズで有名な小島秀夫のデビュー作と後から知り、驚くとともに納得した