マイナーゲーム紹介二回目。今回のソフトはコレ。
■DT・ローズ・オブ・ゲノム■ ゲームボーイ*1(2001/5/21) 開発:ゲームスタジオ 発売:メディアファクトリー
有名なゲームスタジオ作成のゲームボーイソフト。代表取締役が遠藤雅伸ということでごく一部に有名な会社。
そのゲームスタジオが、悪名高きセガサターンソフト「エアーズアドベンチャー」*2の次にゲームスタジオが出したのがコレ。
数少ない「暴力表現」マークがつけられたゲームボーイソフト*3だが、本編の内容はそれに恥じぬ硬派なシステムとハードなストーリー展開の連続。
ジャンルとしてはトレーディングカードゲーム(TCG)。内容は元祖TCGのマジック・ザ・ギャザリングに酷似しているが、コンシュマーゲーム用にかなりスピードが速く展開するのが特徴。
- カードはターン開始時に常に7枚になる(例えば1枚も手札がない場合、ターン開始時に7枚引く)
- デッキは40枚固定。上記のカードドローとあわせて、必然的にかなり早いターンで決着となる。
- 各ユニットにスピードの概念があり、相手よりスピードで勝る場合、先にダメージを与えることができる。
- 味方ユニットがやられると、プレイヤーがダメージを受ける
- MTGと異なり、ユニットの戦闘ではどれで防御するのか選べない。逆に攻撃側はどれを攻撃するのか選べる。
とにかく積極的に攻撃を仕掛けるのが有利(いわゆる妨害系カードが少ないことも一因)。
DTセルと呼ばれるナノマシンにより、合成可能な材料さえあれば機械だろうが人だろうが生成できる*4という無茶な設定のため、使用できるユニットはどれも個性的で、ただの高校生([空手部員]とか[剣道部員]のようにまだなんとか戦えそうなものから[チアリーダー]、[女子高生]などどう考えても戦えないものまで)や動物、生物や機械と融合した改造人間(作中ではそれぞれ「ライマージ」「リオーグ」と呼ばれる)、果ては戦車や化学兵器などなど幅広い。
また、カードそれぞれに記述されているフレーバーテキストもかなり面白い。
カードによってはそのユニットにまつわる解説であったり、ショートストーリーになっていたりとかなりの文章量で、これを読むだけでもかなりの時間楽しめる。裏設定大好き人間にはたまらない。
分かりづらい専門用語や、人物名などにはハイパーリンクで別に解説テキストがあるので、その時点で分からない文が現れても安心である。
ストーリーとしては全十章(隠しステージあり)、前半五章と後半五章の二部仕立てだが、前半の主人公である榊 拓馬(さかき たくま)がまた高校生とは思えぬガチっぷり。
まずプロローグで彼に告白した幼馴染のヒロイン、西 あゆ深(にし あゆみ)は第一章であっさり殺され、その犯人をさっくりと殺害。
それ以降も彼に降りかかる火の粉を払うため、次々と刺客を殺害してゆくこととなる。かなりハードだ。
反対に第二部の主人公、飴井 由佳(あめい ゆか)は同じく降りかかる火の粉を払わざるを得ない状況になるものの、誰も殺すことがないのとは対照的である。
エピローグの彼の言動、行動はかなり悲しい。これはぜひプレイして確認してもらいたいところ。
欠点としては、カードゲームとしてのバランスがそれほど良くない事。
とにかく、前述の戦闘システムの関係上、スピードが速いユニットが強いため、先にこれらを展開して場を制圧してしまえばかなり一方的な勝負となることも少なくないのである。そのため、対戦プレイでは先攻がかなり有利になってしまっている。
また、肝心のユニットもそれほどバランスが練られているとはいえず、それらを補助するインスタント的なカードも少ない。
ストーリーで対決するCPUのバランスが悪いことも挙げられる。このゲームを何の情報もなしにプレイした場合、まず間違いなく第二章、つまり二戦目で一度詰まると思われる。壁となるキャラがいる反面、あからさまに弱いキャラがいたりする(特に第二部の七章と九章は、そこまでたどり着けた場合はまず負けないと思われる)のもマイナスポイント。
ゲーム全体の雰囲気が良いだけに、ぜひ今にリメイクを出して欲しい一本である。*5
お蔵入りとなった64DD版の内容も含めて。
▲ワンポイント攻略▲
- デッキ構築の際、セルの色(MTGでいうところの土地タイプ)は2色ぐらいに抑えておくのがベター。
- スタート時のデッキでは、第一章の御子柴はともかく、二章の算哲はかなり強い。戦闘前にフリーバトルである程度カードを集めたほうが良い(おすすめは蓬莱温子。たぶん最弱でスターターデッキでも楽勝)
- 第四章の敵であるドグスターは、まれに最強のレアユニット「グレイシア」を落とす。こいつさえあれば他に何も要らないくらい強力なユニットなのでぜひ狙って生きたい。
- 第一章〜第五章までが一部で、第六章〜第十章までが二部となる。二部の敵に一度も敗北せずに十章まで勝ち進むと隠しステージである十一章が現れる。十一章をクリアすると隠しカード「アユミ」が手に入るのでぜひ狙っていきたい。
- 筆者が使用しているデッキ
- 【グレイシア特化タイプ】
- グリーンDTセル ×4
- ブルーDTセル ×7
- バイオレットDTセル ×4
- ピンクDTセル ×5
- グレイシア ×4
- ハートブレイク ×3
- ディスアーム ×2
- リメンバー ×1
- DTゾウショク ×5
- ダスザウアー ×1
- ブリザード ×1
- ファティガビリス ×3
- 【グレイシア特化タイプ】
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- とにかく最強ユニットである「グレイシア」を即効で出すことのみを念頭を置いたデッキ。「ハートブレイク」と「DTゾウショク」を使いまくり、場にDTセルを並べ、一気に決着をつける。