いよいよポケモンSV発売までひと月切った今日この頃。今回はそんな時勢にぴったりのゲームSwitch版「Nexomon(ネクソモン)」のレビューとなります。いやぁ、セールしてたからつい買っちゃったけど、これ思ってたより凄いゲームだったわw
- 元々スマホ版があったらしく、こいつはその移植版…という立ち位置で良いんですかね? 本作の他に続編もあり、攻略記事とか探してもそっちばかり出て来て地味に苦労した…。
- 取り合えず表ストーリークリアしたところまでの感想となります。
まずタイトル画面を見ただけで分かるアレっぽさw。 「ネクソモン」というタイトル時点でバレバレではありますが、この「X」がやたら強調されたロゴとか、めちゃくちゃ露骨なポケモンオマージュ作となっています。
- タイトル画面は「X」っぽいですが、全体的には2Dの頃の雰囲気が強い感じ。
こいつはプレイヤーの相棒となるアトラス。喋れない主人公に変わり主要キャラとの会話を肩代わりしてくれ、ロボのくせにやたら豊富な表情を持っている。本家でいうところのライバル兼ロトムみたいなやつだ。
ストーリーの大本はシンプルで、序盤は「なんか悪そうなやつを追いかけて」、中盤以降は「その悪い奴に捕まった幼馴染を助けに行く」、終盤は「悪い奴が魔王的なネクソモン(オムニクロン)を復活させようとしているので阻止しに行く」という、ホビーアニメのような分かりやすさ。キャラクターの個性も際立っており、後半の熱い展開も相まってこの点はかなり良かった。
で、最初のネクソモンは7匹から選べます。いきなり全属性から選択可能だよ。
- 本作は7つの属性(ノーマル、岩、風、水、火、雷、木)があり、ノーマル以外の属性は2つの属性に対し有利、2つの属性に不利となっています。どれかが特出して強いという事もないバランスですね。
- 岩に対し風が強いとか、雷に対して木が強いとかポケモンに慣れているとちょっと罠みたいな相性もありますw この辺はプレイして慣れるしかないかな。
バトル画面は完全にポケモン。1対1、スキルは4つまでと、非常に分かりやすいw
- 大きく異なる点はスキルが「スタミナ」を使用して放つという事。これは全スキル共通のポイントで、使い果たすとすべてのスキルを出せなくなる(一ターン休んで少量回復可能)。強力なスキルともなるとSTの1/5程度を使ってしまうこともあり、長期戦は基本厳しい仕様となっている。
- ただしレベルアップ時に全回復すること、そのレベルがかなり上がりやすいことから、本編中に困ることはボス戦以外だとあまりないかな…。スタミナ回復アイテムもやたら安いし。
傷ついたネクソモンはヒーリングセンターで無料回復、センターにある端末でネクソモンの入れ替えができる、という点は本家と同じ。前述したとおりレベルアップで全回復するため、その気になれば全然スルーしてストーリーを進めることもできます。この辺は本家よりテンポよく進められて良いところですね。
特定のレベルまで上がると進化する点は本家と同じ。ただこれによってステータスが目に見えて上がったりしないのでどれぐらい意味があるかは不明。
- あとこの進化演出がやたら長いw 本家の3~4倍ぐらいあるので結構鬱陶しいぞ。
- ネクソモン自体のデザインはかなり良い感じ。本家にいてもおかしくないぐらい正統派なデザインの奴もいれば、ロボポンのロボっぽい奴もいたりとバラエティは豊か。
本家にない魅力点だと、キャラクターのアバターがいつでも自由に変更可能であること。ストーリー中で出会ったNPCのアバターが追加されていくので、結構カオスな場面を作り出すこともできますw
またイベント時に一枚絵のCGがあることも本家にない特徴。ここぞという場面でバーンと表示されるので中々盛り上がるぞ。
ネクソモンテイマー(ポケモントレーナー)とのバトルは本家と少々異なっており、「入れ替え」ではなく「勝ち抜き」バトルオンリーとなっている。それでいて本家とは異なり、割と序盤の敵でも5~6匹はネクソモンを所持していることもざらなので、意外と消耗戦になりやすい。
また、ボス敵の中にはステータスがぶっ飛んだ高さの奴が出て来てレイドバトルみたいな展開になることもある。これは本家にない中々熱い展開でちょっとワクワクしますね。
最後のバトル前。ネクソモンのチャンピオンたちと人間のチャンピオン(主人公)が対峙してラストバトルとなる、なかなかアツイ展開。
- ただ、ラスボスの強さはもっとぶっ飛んでいても良かったと思う。設定のわりに思ったほど強くないんですよね…。苦戦度でいえば他のチャンピオン戦の方が苦労したと思うし。
というわけで表ストーリークリア。最終的なクリア時間は20時間ぐらい。
途中結構レベル稼ぎなどを入れたりしたので、クリアだけならもう少し短くなると思いますが、ネクソモン集めやクリア後シナリオもあることを考えると中々遊び応えがある内容でした。
こちらが最終的なパーティ。なんか気が付くとメガレア以上のネクソモンだけで組んだパーティ構成みたいになってしまった。LVは正直上がり過ぎですね。70もあればストーリークリアには十分でした。
- メガレア以上のネクソモンだと最終的な強さは大体同じぐらいになるんですが、ウィンド属性の「MISTRALION」(↑の左下の奴)だけは例外。他のネクソモンが二属性の攻撃スキルしかないのに、なぜかこいつだけ三属性のスキル攻撃を持っており対応幅が広くなっています(分かっている中ではこいつだけの特徴)。最終パーティにはオススメ。
さて、このゲームポケモンクローンとしてはかなり良い出来なんですが、いろいろな面で褒められないところもいっぱいあります。ここからはひたすら愚痴。
- このゲームの非常に残念な点は、まずテキストミスがめちゃくちゃ多いこと。翻訳がおかしいとかは序の口で、文章とキャラがあっていない、スクリプトがモロに見えてしまうなど、作りのレベルで間違っている場面がめちゃくちゃ多い。せっかくストーリーもキャラも良いだけにここはマジで残念。
- あと元々がスマホゲーだったためか処理がやたら重いところがある。特にマップ移動時の画面切り替えで結構固まることが多い点が非常に気になった。
- そして肝心のネクソモンの個性が薄いこと。本作のネクソモンはコモン、アンコモン、レア、メガレア、スペシャル(初期選択用)、レジェンドとレア度が決まっており、このレア度が強さにほぼ直結しています(高レアほど強い)。この辺はまぁ元がスマホゲーなので仕方ないかもしれませんが、アンコモン以下はほぼ使い物にならずコレクション用になってしまうのはさすがに如何なものか…。どうしても使える奴が限られてしまいます。
- しかも、基本的にどのネクソモンも二属性の攻撃しかできない(自分自身の属性+何か一属性)こと、最強技が大体同じという点も中々パーティ選抜を狭くしています(幅広いスキル構成でカバーといったことがほとんどできない)。この辺のバランスがもうちょっとうまく出来ていたら名作を超えた傑作になれたんじゃないかと思うと微妙に残念。
- 地味に困るのがスキル関係のあれこれが妙に不便なこと。なぜかスキル選択画面ではスキルの威力・命中率が確認できない(戦闘時に確認できる)、スキル表示順を変更するのは「有効にした順番」で決定されるため選択画面では確認できない(これまた戦闘中に確認する必要あり)と、よく分からない仕様になっています。なんでこんな使いづらいの…。
- 後これは意図的なものかどうか分からないんですが、スキルの「命中率」に関する表示がガバガバで、「ダメージだけ与えるスキル」の場合はそのスキルの命中率だが、「ダメージ+バッドステータスを与えるスキル」の場合、バッドステータスを与える命中率っぽい表示になっている(命中率40%表示とかでもスキルそのものは外れなかったので多分)。なんでこんな分かりづらいんだよw
とまぁ、いろいろ不満は出まくりますが、ゲームとしては中々良く出来ており、値段分以上は楽しめるRPGでした。ポケモンクローンとして、ぶっちゃけ余計な要素を殆ど入れなかったのが逆に良かったかもw
Switchだと続編の「Nexomon:絶滅」も出ているので(なぜか発売元が違う)そのうちそちらもプレイします。